平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 「神の憂鬱」

2010年03月11日 | 推理・サスペンスドラマ
 FRSセンターの設置。FRSセンターの分析官と捜査官。
 神戸(及川光博)が特命係に来た理由がこんな所にあったとは!
 右京(水谷豊)の監視だけでは弱いと思ってたんですよ。
 これですっきりした。
 神戸の登場から今回までが、ひとつのミステリーになってる感じですね。

 さて、今回注目したいのは組織と個人。
 組織の論理で行動するか、個人の意思、気持ちで行動するか?
 神戸だけでなく、われわれが折に触れて迫られる選択ですよね。
 自分の属する組織の論理と自分の意思が一致している時はいい。
 しかし違っていたら……?
 たとえば会社から不正をするように言われた時。
 「間違っている」「自分はそんなこと出来ない」と言えればいいが、そうすれば会社人としての将来を失う。
 神戸や伊丹は、右京さんの影響を受けたのか、個人をとりましたが、現実ではなかなか難しい問題。
 少なくともドラマの世界では「間違っている」「自分はそんなことできない」という人物であってほしいと思いますが。

 今回、事件となったFRSシステムについても難しい。
 現在、街のいたる所に見られる<防犯カメラ>だが、これが出始めの頃は<監視カメラ>と言われていた。
 <監視カメラ>ではプライバシーの問題など聞こえが悪いから、<防犯カメラ>に名前を変えたのだ。
 <防犯>なら誰もが納得しますからね。
 そして、このことはFRSシステムでも同じ。
 作品では<神になった感覚>と表現していたが、これでわれわれの生活すべてが覗き見される。
 権力にとって都合の悪い人物がいたら、このシステムで監視してちょっとした罪で捕まえることも出来る。
 だが一方で、たとえば逃走した犯人や潜入したテロリストなんかを捕まえる時には実に有効。
 FRSシステムは、善にも悪にも使える両刃の剣。
 まあ、この両刃の剣はあらゆることがそうなんですけどね。
 <核>も<法律>も<権力>も使い方によって善にも悪にもなる。
 今回の「相棒」はこのように実に現代的なテーマを提出している。

 最後は右京さん。神戸に
「ようこそ特命係へ。今夜も飲みにいけそうですか?」
 なかなかクサいせりふだが、シャイな感じが出てて、とてもよかった。



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