平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 第16回「恩人暗殺」~冗談じゃねえぞ。まだ死ねるか……

2021年05月31日 | 大河ドラマ・時代劇
「冗談じゃねえぞ。まだ死ねるか。
 見てえもんがまだ山ほどあるんだ……」

 平岡円四郎(堤真一)、暗殺。
 その原因は、一橋慶喜(草彅剛)が攘夷に舵を切らないことだった。
 攘夷派は慶喜にそうさせているのは、円四郎だと考えた。
 佞臣・平岡円四郎か……。

 長州が都を追われたとはいえ、攘夷の炎はまだ燻っている。
 燻っている火を大きく燃え上がらせるために挙兵した水戸天狗党。

 一方、渋沢篤太夫(吉沢亮)は少し大きな視点で世の中を見られるようになっている。
 熱くなる攘夷派のかつての仲間に対し、
「攘夷は半端な挙兵ではかなわない。
 この世のため一橋で働け。一橋様のもとで新しい国をつくるべ」
 と説得する。

 攘夷・開国・尊皇・倒幕・幕藩体制維持──
 さまざまなイデオロギーがぶつかり合っている時代ですよね。
 これに暗殺やテロといった暴力行為が加わるから、なお質(たち)が悪い。
 暴力で抑えつければ、暴力で返されるのも世の常。
 今回、新選組が出て来たが、暴力の反動はやがて新選組にも及ぶ。
 こんな混乱の時代。
 円四郎が篤太夫に言った言葉がなかなか響く。
「お前はお前のまま生き抜け」
「死に急ぐな」
 迷いながらも自分を信じて生き抜くこと。
 大切なことですね。
 現代も、オリンピック開催の是非を含めて、
 右左さまざまな意見がぶつかり合い、かなり大変ですし。

 そんな中、尾高惇忠(田辺誠一)の母・やへ(手塚理美)の嘆きが胸を打つ。
「わたしは水戸が憎い」
 政治的な争いに巻き込まれて、息子たちが次々と捕縛、牢屋へ。
 やへにして見れば、攘夷・尊皇・倒幕など、どうでもいいことなのだ。
 ただ息子たちが普通に生きていてくれればいい。
 今回、尾高平九郎(岡田健史)と渋沢てい(藤野涼子)の恋愛が描かれたが、
 政治的なことよりもこちらの方が重要な気がするなあ。

 慶喜は自分の正直な心情を吐露。
「私には輝きがない」
「凡庸な男だ」
 慶喜は周囲に「国難を救う人物」「聡明な君主」と祭り上げられていることに違和感を持っている。
 こう考えられる時点で、慶喜は聡明なんですよね。
 愚かな人間は、自分こそが日本を救える人間であると増長・勘違いする。
 現代で言えば、安倍ちゃんなんかはこう考えていそう。
 習近平やプーチンや各国の首脳と渡り合えるのは自分しかいない。
 政権を途中で二度も投げ出したくせにね。
 外交と言えば、ただお金をバラまいただけだしね。

 さて慶喜。
 円四郎という心の支えを失って、どこへ向かうのか?


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