平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 最終回「青春はつづく」~さあ、励むぞ! 栄一はふたたび走り始めた

2021年12月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 91歳か。
 幕末・明治・大正・昭和を駆け抜けて、「励んだ」人生だった。
 歴史や社会には、栄一(吉沢亮)のようなバイタリティのかたまり、道を切り拓いていく人物が必要なんですね。
 後半は駆け足だったが、日本近代経済史を勉強させてもらった。
 伊藤博文(山崎育三郎)、大隈重信(大倉孝二)らの姿を具体的に見られたのもよかった。
 草彅剛さんの「徳川慶喜」を見られたのも収穫。
 草彅剛の慶喜は絶品である。

 ただ、ラスト3話、お説教くさいのは気になった。
「話し合えば理解し合える」
「みんな仲良く。共存共栄」
「手を取り合いましょう」
「困っている人がいれば助け合いましょう」
「友とは有り難いものだ(=友情で結ばれる関係)」
 言ってることは正論なんですけどね。
 慶喜が語ったように、現実は「欲」や「感情」の方が強い。
「流行病」で熱くなってしまったら、どんどん暴走し始める。

 スピーチで語るのもなあ、作劇としてどうなんだろう?
 確かに、映画『英国王のスピーチ』のように、スピーチで感動させる手法はあるんだけど、
 今作では前々回の「アメリカ」と最終回の「中国大水害」で2回やった。
 敬三(笠松将)の追悼スピーチを入れれば3回だ。
 これでは有り難みが薄れてしまう。

 ただ、「中国大水害」のスピーチは、篤二(泉澤祐希)との関係でドラマチックなんですけどね。
 篤二は父の言葉を求めていた。
「日露戦争に経済で協力しよう」とスピーチした父親のことは嫌だった。

 敬三の追悼スピーチは、脚本・大森美香さんの恥じらいですかね?
 大森さん、栄一をあまりにも「聖人君子」に描き過ぎてしまったから、すこし否定したくなった。
 だから敬三に「祖父はただのおしゃべりです」「祖父の失敗したこと、かなわなかったことも含めて祖父を思い出して下さい」と語らせた。

 確かに栄一は、尊皇攘夷運動に走ったり、結構、道に迷ったりしたんですよね。
 あれほど熱心に「対話」や「手を取り合うこと」を主張したのに、日本は戦争への道に進んでしまったし。

 成功と失敗、理想と現実、そして迷走。
 栄一の人生は山あり谷ありでしたが、「よく励んだ」人生だった。
 時代を駆け抜けた人生だった。
 それを象徴するように、ラストシーンは栄一が走るシーンで終わった!


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