平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

チェンソーマン~悪魔が怖れるのは頭のネジがぶっ飛んでるやつだ

2023年02月10日 | コミック・アニメ・特撮
「悪魔が怖れるのは頭のネジがぶっ飛んでるやつだ」

 というわけで頭のネジがぶっ飛んでいるのは、
 チェンソーマン・デンジ(CV戸谷菊之介)と魔人パワーちゃん(CVファイルーズあい)である。

 デンジがデビルハンターとして悪魔と戦う理由は──普通の生活をしたいから。
 家があって、風呂に入れて、ジャムをぬった食パンを食べるため。
 公安対魔特異4課のデビルハンターになって衣食住が足りて来ると──おっぱいを揉むため。笑
 パワーちゃんのおっぱいを揉んで「思ってたのと違う」と思うと、
 今度は上司のマキマさん(CV楠木ともり)のおっぱいを揉むために悪魔と死闘を繰り広げる。笑

 パワーちゃんは魔人なので、面倒くさいことは考えない。
 以前の戦う理由は愛猫のニャーコをコウモリの悪魔から取り戻すためだったが、
 それがかなうと、あとは自由奔放。
 わがままで、虚言癖があって、無責任で、
 都合の悪い事態は責任転嫁して、自分より強い相手には逆らわない。笑(Wikiペディアより)
 そして、こんなことを言う。
「わしはヒマだからノーベル賞を考えておった。
 ノーベル賞を発明すれば人間はわしにひれ伏すじゃろう。
 そのあとはノーベル賞を踏み台にして総理大臣になる。
 手始めに消費税は100%じゃ!」笑

 こんなデンジとパワーに悪魔は戸惑う。

 一方、デビルハンターでありながら比較的マトモなのは、
 早川 アキ(坂田将吾)と姫野(伊瀬茉莉也)である。
 アキは復讐のために戦っている。
 姫野はハードな公安の仕事から降りたい様子。ただアキを守りたいと思っている。
 こんなふたりは頭のネジが完全にゆるんでいない。
 その証拠にふたりは戦いの際に、精神を落ち着かせるためにタバコを吸う。
 悪魔が支配するホテルに閉じ込められた時は事態打開の方法を探る。
 この時、デンジは「こんなふかふかのベッドで寝られるなんて幸せだぜ」と言って熟睡し、
 パワーちゃんは「これはわしのじゃ」と言って限られた食料を後先考えずに食べている。笑

「頭のネジがゆるんでいる者」と「あまりゆるんでいない者」
 当初、観ている僕たちはアキや姫野に共感する。
 アキや姫野をカッコイイと思う。
 だが、物語が進んでくると、視聴者はデンジやパワーちゃんが魅力的に思えて来る。
 実際、僕は、わがままで、無責任で、強い者から逃げるパワーちゃんのファンだ。
「わし」という一人称も、「~じゃ」という語尾も可愛くて、
 やることなすこと目が離せなくなる。

 これは何だろう?
 何ものにも縛られず、思いのままに生きる楽しさ。
 デンジやパワーちゃんに限りない自由や解放を感じるからだろうか?

『チェンソーマン』にはもうひとり特異なキャラがいる。
 公安対魔特異4課のリーダー・マキマさんだ。
 彼女はミステリアスではあるが、普段は組織に生きる常識人だ。
 だが、彼女が悪魔の力を使う時は…………。
 そしてマキマさんのことを知るにつれ、視聴者は彼女に魅せられていく。

・デンジ、パワーちゃん
・アキ、姫野
・マキマ
 この3つの人物造形が『チェンソーマン』を面白くしている。
 計算尽くされた物語構造だと思う。

 後半ではサムライソード、蛇の悪魔と戦うために──
・サメの魔人
・暴力の魔人
・蜘蛛の悪魔
・天使の悪魔
 公安対魔特異課の他の人外も登場!
 天使の悪魔って……!
 これまた自由だなぁ。

 脱常識の楽しさ!
 これが『チェンソーマン』だ。

※関連動画
 KICKBACK『チェンソーマン』オープニングテーマ(YouTube)
 ※やっぱ米津玄師はすごいな……。編曲はKing Gnuの常田大希。
 
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リコリス・リコイル~素晴らしいガン・ファイトシーン! 弾丸が当たれば重く、走れば軽やかに! 

2023年02月08日 | コミック・アニメ・特撮
 アニメ『リコリス・リコイル』。

 ふたりの戦闘少女のバディの話だ。
 ふたりはテロ・犯罪を未然に防ぐ治安維持組織DA(Direct Attack)から弾かれている。

 錦木千束(にしきぎ・ ちさと/CV安済知佳)は人を殺さない。
 装填する弾丸は「非殺傷弾」で、敵に苦痛を与えるが殺害しない。
 そんな千束は暗殺で問題を解決するDAには合わない。
 だから弾かれた。

 井ノ上たきな(CV若山詩音)は自分の判断や銃の腕に絶対的な自信を持っている。
 だから現場で自分が正しいと思えば、独断専行、命令違反をする。
 結果、DAから弾かれた。

 ふたりはそんなはぐれ者がいるDAの下部組織・喫茶リコリコにいる。
 依頼されるさまざまな事件を通して信頼し合い、心を通わせていく。
 千束がなぜ人を殺さないか明らかになり、ふたりは真のバディになっていく。
 ………………………………

 この作品が素晴らしいのはガン・ファイトだ。
 銃を撃った時の反動をしっかり描く。
 弾丸が当たった時の重さをどっしり描く。
 それでいて、走ったり、跳躍したり、かわしたりする時はアニメの誇張をまじえて鮮やかに描く。
 そして、あんなに動きまわっているのに、なぜかパンツが見えない……。笑
 
 裏設定を知ると、ガン・ファイトはさらに面白くなる。
 たとえば千束の非殺傷弾。
・赤く着色したプラスチックの粉末と金属粉末を混合した特殊なフランジブル弾。
 命中時に血煙のような赤い煙が巻き上がる。
 結果、撃たれた者の仲間には、普通の弾丸で仲間が撃たれたように見える。
・銃口を密着させて撃っても相手が死亡することはない。
 だが撃たれた相手は千束曰く「死んだほうがマシ」と感じるほどの痛みに襲われる。
・上記の特徴と引き換えに、非殺傷弾は弾道のブレが非常に大きく有効射程が極端に短くなっている。
 だから千束は自身の身体能力を活かして相手に接近し、確実に命中させている。
 以上、wikiペディアより。
 なるほど~、千束のガン・ファイトにはこんな設定があったのか?

 その他に、この作品には設定がいっぱいだ。
・リコリス(彼岸花)     ~DAの女系暗殺部隊
・リリベル(君影草・すずらん)~DAの男系暗殺部隊
・ホリホリック(花葵)    ~影武者部隊
・八咫烏           ~上記を統括する組織
・高性能AIウォールナット   ~クルミ(CV久野美咲)のコードネームではないらしい。
・高性能AIラジアータ     ~DAの作戦を補佐するAI
・アラン機関
・アランチルドレン

 ファーストシリーズでは、千束とたきなの関係がメインだったので、あまり触れられなかったが、
 もし続編が作られたらこれらが作品をもっと深くしてくれるだろう。

 戦闘シーンの動画はこちら。
 千束の戦闘能力がわかるシーン(YouTube)
 ※途中、千束が階段から落ちる敵を支えるシーンがあるが、打ち所が悪ければ死んでしまうから。

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どうする家康 第5回「瀬名奪還作戦」~軍師・本多正信、忍者・服部半蔵登場! でも少し頼りない……!

2023年02月06日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は面白かった!
 これくらいのノリがいいな。

 瀬名奪還作戦。

 軍師・本多正信(松山ケンイチ)登場!
 しかし、周囲からは散々な言われよう。
「偽本多」「本多の恥」「イカサマ師」「三河侍の恥」笑
 正信はいくさで戦うのが嫌いらしい。
 いくさがあると理由をつけて逃げる。
 
 そして服部半蔵(山田孝之)登場!
 服部党はすっかり落ちぶれて極貧生活。
 そんな半蔵に正信は銭をちらつかせて瀬名奪還の協力を仰ぐが、
 半蔵は自分は武士で、銭で動く忍びが嫌いな様子。
 それでも正信に求められて在野の服部党28人を集める。
 ワオーーーッ! ウオーーーッ! 獣のような服部党!
 それぞれの呼び名も「大鼠」「穴熊」。
 困難なミッションに対し、大鼠と穴熊はこう語る。
「俺は出来るか出来ねえかは考えません。やれと言われればやるだけで」
「俺は銭さえもらえれば」

 いいぞ、いいぞ、この感じ!
 コミック、アニメテイストだが、そういう作品として見れば悪くない。
 ここで皆から「恥」「イカサマ師」「騙り」と言われている正信と半蔵が
 瀬名(有村架純)を見事に奪還できたらドラマとしてスッキリする。

 だが、今回はおあずけ。
 計略がばれて、服部党は鵜殿長照(野間口徹)に返り討ちにされた。
 瀬名の母・巴(真矢ミキ)が長照の妹・田鶴(関水渚)しゃべってしまったのだ。
 巴はお別れを言うつもりだったらしい。
 おそらく今川を捨てて三河に行くことに心の整理ができていなかったのだろう。
 結果、瀬名の関口家は死罪に。

 この件を内偵していた田鶴はつらい立場だ。
 田鶴は完全にスパイになり切っていないから、自分の行動がもたらした結果にがく然としている。
 友の瀬名が本心を打ち明けてくれなかったことを寂しく思っているかもしれない。
 まあ、最初に裏切ったのは田鶴なのだが。
 次回以降、田鶴のドラマが見られそう。

 今回は山あり谷ありの展開だった。
 今回のラストで谷底まで突き落されたから、次回「続・瀬名奪還作戦」は大いに盛り上がるだろう。

 元康を演じる松本潤さんと正信を演じる松山ケンイチさんの演技対決も面白かった。
 これは主観だが、松山ケンイチさんの正信は完全に主役を食っていた。
 目つき、動作がまったく違う。
 まあ、元康はまだ若くて未熟な武将だし、今回出番も少なかったから仕方ないのだが。
 松本潤さんも敢えて線の細い元康を演じているのだろう。
 それでも、この元康のシーンはよかった。
 どうせ正信たちは失敗するだろうと笑う家臣に、
「命がけで働いている者を笑うな!」
 
 最後は服部党。
 大鼠は死ぬ時、こんなことを言った。
「どうぞやり遂げて銭をたんともらって下さい」
 伏線回収である。
 半蔵は今後、働いて銭をもらうことに違和感を持たないだろう。

コメント (4)
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甘ちゃんでゆる~い岸田内閣~オフレコだからと本音を話して、首相秘書官更迭!

2023年02月05日 | 事件・出来事
 荒井勝喜総理秘書官がLGBTの差別発言で更迭された。
 岸田首相の息子の秘書官は公用車を使ってパリの街で観光気分。
 何をやってるんだ? この政権の秘書官は?

 荒井秘書官のLGBTをめぐる発言はこうだ。
「見るのも嫌だ」
「同性婚を認めたら国を捨てる人が出て来る」
「首相秘書官室全員に聞いても同じことを言っていた」

 こんな感覚の人物が国の中枢にいるのか?
 というか、秘書官全員?
「国を捨てる人が出て来る」って、その根拠は?

 この荒井発言を受けて、ネットで話題になったのが、
 龍谷大学の憲法学の石崎学教授の言葉。

「同性愛という愛のありかたは個人の自由でありそれを理由に差別されるべきではない。
 デートすれば良いし、ウェデングすれば良いし、一緒に住んで助け合えば良い。
 しかしそれを国家が法的婚姻制度で保護することは全く別の問題だ。
 生殖可能性がない以上、現状国家が保護すべき利益が見当たらないからだ」

 あれまあ、後半で困ったことを言ってる。
「生殖可能性がない以上、現状国家が保護すべき利益が見当たらないからだ」
 自民党の杉田水脈が数年前、「LGBTは生産性がない」と言ったのと同じことを言ってる。
 こうした発言は杉田だけかと思っていたが、案外、強く根を張っているんだな。

 これらを許したら、国家や権力はもっともっとと言ってくるぞ。
「生殖可能性」
「生産性」
「国家にとって有益か、無益か」
 これらで国家は人を区別して、最終的には排除する。
 そんな社会がやって来る。

 こんな言説もある。
 更迭された荒井秘書官の発言はオフレコだったのに、
 これを公にしたマスコミはルール違反だ、信義に反する、という言説だ。
 ルール? 信義?
 何というお花畑!
 ジャーナリズムと権力は本来、緊張関係があって闘うもの。
 ジャーナリストはあの手この手を使って情報を獲り、
 権力もウソの情報を流すなど、あの手この手で騙せばいい。
 要するに荒井秘書官は甘ちゃんだったんだよ。
 こんな人物が海千山千の中国、アメリカ、ロシアなどと闘っていけるのか?
 そう言えば、首相の息子の秘書官もフジテレビの女性記者に大臣辞任の裏情報を話してたな。

 こんなお花畑内閣につき合わされる僕たちは悲劇だ。
 ゆるすぎる。
 頼りなさすぎる。

コメント (6)
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『ミックスナッツ』 Officia髭dism~『SPY×FAMILY』の主題歌! 幸せは胃もたれするのだ!

2023年02月03日 | その他
 Official髭男dismの『ミックスナッツ』
 言わずと知れた『SPY×FAMILY』の主題歌である。

『SPY×FAMILY』
 スパイ、殺し屋、エスパーが疑似家族をつくる物語だ。
 3人はそれぞれに裏の顔を持っていて、裏の顔をお互いに知らない。
 だが、家族として過ごすうちに心が触れ合い、心地いいものになっていく。
 彼らの家庭生活は波瀾万丈だが、次第にかけがえのないものになっていく。
 第2シリーズ後半では、ロイドの任務が達成されたらこの家族がなくなってしまう哀しさも描かれた。

 スパイ、殺し屋、エスパーの3人は社会から疎外された人間でもある。
 普通の人のようには生きられない孤独、不安、哀しみ。
 そんな3人が家族をつくって、食卓を囲んだり、
 アーニャの勉強のことなどで奮闘するうちに、一瞬でもそれを忘れる。
 ………………………………………

 髭男の『ミックスナッツ』はそんな『SPY×FAMILY』の世界を再現した曲だ。

 ナッツは木になる木の実で、普通の一般人をさす。
 ピーナッツは土の中になる実で、アーニャたちを意味する。
 そんなナッツの一般社会にピーナッツの3人が紛れ込んでいるというのが曲のコンセプトだ。
 何という見事な隠喩だろう。
 ちなみにピーナッツはアーニャの大好物でもある。

 曲はこのナッツとピーナッツの世界観をさらに発展させる。
 JASRACの関係で歌詞を直接書けないのがもどかしいが、
「このドライな世界で雨を降らせてほしい」とか、
「普通も、正解もない」とか叫ばれると、ググッと熱いものが込み上げて来る。

 圧巻はこれだ。
 このロイドたちの楽しい生活を髭男は「胃もたれがする」と表現するのだ。
「胃もたれ」
 いったい、どういうことだろう?
 一般的にはマイナスの意味で使われる言葉だ。
 だが、「幸せすぎて胃もたれがする」と捉えると、グン! とロイドの心の中が染み込んで来る。
 見事な言葉のチョイスだ。

 曲調はジャズバンドも取り入れて、ともかく華やか!
 疾走感もあって、ロイドたちがアドレナリン全開の世界に生きていることがわかる。

『ミックスナッツ』の動画はたくさんありますが、これをセレクトしました。
 前半のアーニャとの出会いとヨルさんとの出会いのシーン!
 この動画、アーニャの気持ちになって見ると、結構泣けます。

 SPY×FAMILY op主題曲 ミックスナッツ【歌詞付き】(YouTube)

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「水曜日のカンパネラ」の楽曲が楽しい!~さあ、歌詞から解放されよう! 無意味の世界に身を委ねよう!

2023年02月01日 | その他
 水曜日のカンパネラの曲が楽しい!
 聞いて、僕らは言葉(歌詞)から解放されるのだ。

 

『エジソン』
 歌詞の内容はこんな感じ。
 曲が売れてライブも盛況なエジソン。
 でも僕は発明をして、発明王になりたいんだけどなあ……。
 という内容。
 人生がどこかうまくいかない僕たちの隠喩でもある。

『バッキンガム』はもっとぶっ飛んでいる。
 バッキンガム宮殿やアルハンブラ宮殿など、世界にはたくさんの宮殿があるが、
 東京の世田谷区にも『給田(←町の名)』という宮殿がある。
 世田谷・給田は千歳烏山と仙川の間にあって、郵便番号は〒157-0064。
 緯度は 35度 39分 44.72秒 139度 35分 24.89秒。
 という内容。笑
 見事な世界のひっくり返し方である。
 これで僕たちは面倒な言葉(意味)から解放される。

 かつて楽曲は歌詞が重要だった。
 歌詞によって共感し、感情を揺さぶられ、生きる力を与えられた。
 だが、水曜日のカンパネラのような楽曲もある。
・歌詞は調味料程度で、メインディッシュはメロディ&リズム。
 メロディとリズムに身を委ねて心地よさに浸る。
・歌詞はメロディとリズムの世界に入るための入り口でしかない。
・歌詞は何度も聞いていると、色褪せてしまうが、メロディとリズムはなかなか擦り切れない。
・歌詞は「それは違う」と違和感を抱くこともあるが、メロディとリズムにはそれがない。

 さあ、無意味の世界に身を委ねよう!

『エジソン』と『バッキンガム』、どちらにしようか迷いましたが、
 今回は『バッキンガム』の動画を貼っておきます。

 水曜日のカンパネラ『バッキンガム』(YouTube)

コメント (17)
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