桃の花女どもの折るところ
きみがため わがをるはなは はるとほく ちとせみたびを をりつつぞさく
君がため わが折る花は 春遠く 千歳三度を 居りつつぞ咲く
桃の花を女たちが折るところ
あなた様のために私たちが折ったこの桃の花は、春を遠く望んで三千年に一度実るという西王母の桃のように、咲くのをじっと待ち続けた花なのです。
西王母(せいおうぼ)は、中国の神話や伝説に登場する女神。西方の伝説上の山、崑崙山に住み、三千年に一度実る桃の木を持っていて、その実を食べると長寿を得るとされていたという故事を踏まえての詠歌ですね。