漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0101

2020-02-08 19:25:23 | 古今和歌集

さくはなは ちくさながらに あだなれど たれかははるを うらみはてたる

咲く花は ちくさながらに あだなれど 誰かは春を うらみはてたる


藤原興風




 咲く花はどんな種類のものも必ず散ってしまうけれども、それでも一体誰が春という季節を恨み通すことができようか。

 散る花を惜しむ余り、その一瞬は春(晩春)という季節を恨めしく思いもするが、一年が巡ってまた春を迎える時季となれば、誰しもがまた花の咲くのを(したがって春という季節を)待ち望む気持ちになる。

 作者の藤原興風は平安時代前期の歌人で三十六歌仙の一人。古今集には17首と多くの歌が入集しています。中でも、百人一首にも採られた 0909 の歌はおなじみですね。

 

たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに

誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに