はなのごと よのつねならば すぐしてし むかしはまたも かへりきなまし
花のごと 世の常ならば 過ぐしてし むかしはまたも かへりきなまし
よみ人知らず
人の世が花のようにいつも変わらないものならば、過ごしてきた昔もまた戻ってくるかもしれないのになぁ。
一つ前の 0097 に続いて、花を「変わらないもの」と捉え、それとの対比で、常に変化してやまず、かつ後戻りして繰り返すことのできない人の人生をはかないものとして歌い上げています。ようやく咲いては短い期間で散ってしまう花にはかなさを見る歌が多い中、この二首は逆の発想ですね。