ふくかぜに あつらへつくる ものならば このひともとは よきといはまし
吹く風に あつらへつくる ものならば このひともとは よきと言はまし
よみ人知らず
吹く風に注文をつけられるものなら、花が咲いているこの一本の木のところだけは避けて吹いてくれと言うのになぁ。
「風よ、花のところを避けて吹いてくれ」というフレーズは 0085 にもありましたね。作者は藤原好風。
はるかぜは はなのあたりを よきてふけ こころづからや うつろふとみむ
0085 は、風が吹かなくても花が自らの意思で散っていくのかどうか確かめたいから、というややひねった表現でしたが、どうか花を散らさないでほしいという心情は同じです。