漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0099

2020-02-06 19:04:38 | 古今和歌集

ふくかぜに あつらへつくる ものならば このひともとは よきといはまし

吹く風に あつらへつくる ものならば このひともとは よきと言はまし


よみ人知らず

 

 吹く風に注文をつけられるものなら、花が咲いているこの一本の木のところだけは避けて吹いてくれと言うのになぁ。

 「風よ、花のところを避けて吹いてくれ」というフレーズは 0085 にもありましたね。作者は藤原好風。

はるかぜは はなのあたりを よきてふけ こころづからや うつろふとみむ

 0085 は、風が吹かなくても花が自らの意思で散っていくのかどうか確かめたいから、というややひねった表現でしたが、どうか花を散らさないでほしいという心情は同じです。