漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0110

2020-02-17 19:04:24 | 古今和歌集

しるしなき おとをもなくかな うぐひすの ことしのみちる はなならなくに

しるしなき 音をも鳴くかな 鶯の 今年のみ散る 花ならなくに

 

凡河内躬恒

 

 鶯が、何の甲斐もないのに鳴いている。花が散るのは今年だけのことではないのに。

 「しるし」は効果の意で、いくら鶯が鳴いても花が散るのが止まるわけではないということ。それに加えて、花が散るのは何も今年に限ったことではないのに、どうして鶯はこれほどに鳴くか、それほどまでに花の散るのが惜しいのだろうという想い。