ハノハノ起業前、私は小さな出版社で寝不足の日々を送っていました。多いときは同時に3冊の月刊誌を担当し、毎日が締切り日といったハードな生活でした。バブル景気に背中を無理やり押され、130名もの社員と共に雑誌という「モノ作り」、情報をかき集め、無から形にしてゆく作業でした。
当時、僕の部署は30名体制の大所帯、その中に優秀な部下も大勢いたのだけど、中でも異彩を放つ二人の部下がいました。スポーツマンで努力家の大槻恭敬、そして、美人でスタイル抜群の田中みどり、二人とも朝から晩まで取材で駆け回り、それからのデスクワーク、ほとんど寝る時間はありません。
そんな二人が突然の退職、今から10年前の話です。理由は?陶芸家になる!えぇぇ、出版の世界から芸術の世界への無謀とも思える転身でした。
その後、二人は結婚し、現在は富良野で「野良窯・カフェノラ」を経営、大槻は陶芸作家として彼らしい器を焼き、みどりは持ち前の優しさで料理を作り多くの人に愛されている。
そんな二人から届いた1枚の案内状、札幌駅北口近くのギャラリーで作陶展をやるとの内容でした。彼の生み出す作品には人生を架けた魂が込められていた。僕達にはそれが良く分かります。共に苦労を分かち合った仲間だからです。
あの時、僕もまだ若く、彼らは大学を卒業したばかりの若者でした。あれから20年以上の月日が流れたのが信じられません。夢を現実にした二人です
大槻作品をひとつ購入しました。大切な友人へのパースディプレゼントです。料理が得意な女性なので大槻作品にマッチした料理が盛りつけられることを想像すると嬉しくなります。
☆野良窯・カフェノラ☆
住所:富良野市下五区 (JR富良野駅より1500m)
電話:0167-22-8929 定休日:毎週木曜日
富良野方面へお出かけの際には是非、立ち寄ってみて下さい。ハノハノ陸上部の福ちゃんの紹介だと言うと、スープカレーの具が微妙に多くなるかも知れません。大槻作品の値引き交渉はお控え下さいませ。