今回ご紹介するのは練馬区のはずれ(失礼!)、大泉学園にあるバー「レモンハート」です。(何でも同名の漫画の原作者がオーナーとのことですが、詳しいことは知りません。)
人がバーに行く理由は色々あるでしょうが、私がこのお店に伺う時は、ことさらに「コレが飲みたい!」と考えてのことではありません。勿論このお店のカクテルは絶品ですし、モルトの品揃えもカルトです。しかし、このお店の真骨頂は、そのバーテンダーさんのお酒や食べ物に対する真摯な姿勢と、人をもてなすということに徹したその心遣いにあります。
昨日はちょうどタイミングよくメインのカウンターが空いていて、久しぶりの訪いに心が弾みます。私はここのジンリッキーが大好きで1杯目によく飲むのですが、昨日は何となくハイボールの気分だったので、1杯目、白州のハイボールをお願いします。
サントリーの白州は、少し苦味の効いたスモーキーな風味が私の好みに合っています。こちらのハイボールは、ソーダで割った後、表面に原液をフロートさせる、実はその元祖です。(巷ではこれを「スーパーハイボール」と言います。)
「何か召し上がってこられましたか?」
宴会で軽く食べはしたけれどお酒は殆ど飲んでいないことを告げます。すると、待つことしばし、カウンターの向こう側で、まるでお寿司屋さんのネタ箱のような小箱のなかから取り出された3種。
左から、カラスミのアイラモルト漬け、イクラ(これは詳細忘れてしまいましたが、洋酒と醤油で漬けた自家製)、そしてナス・フキ・アスパラをシェリー酒で漬けたエスカベッシュ(いわゆる揚げびたし)。
そのどれもが独創的で風味豊か。美味しいものを食べて貰おうという気概に溢れています。お酒が進むのも無理ありません。
この頃には心はすっかりハイボールになっていて、2杯目は少しマイルドな飲み口のスコッチを所望します。取り出されたボトルはカティサーク。これに核となるモルトの一つ、グレンロセスをフロートさせます。口当たりはとてもまろやかで、けれどモルトの香りは途切れることなく、それでいてお酒と食べ物がお互い少しも邪魔しません。至福の時
3杯目もハイボール。今度は少しガツンと来るものを、ということで、ホワイトホースにラガヴーリン。
その時、空になったカラスミの小皿の上に、そっと足されるカシューナッツ。見ると少し色が茶色くなっています。食べるとあら不思議。何でカシューナッツがこんなに香ばしいんだろ?
「ここの屋上を借りて、自分でスモークしてるんです」
私はこれまでどちらかと言うとナッツ類の美味しいものを食べたことがなかったのでしょう、何となく生っぽかったり味がしなかったりと、あまりいい印象を持っていなかったのですが、このカシューナッツは秀逸でした。(写真を撮り忘れたのが残念です。)
こうして突き出し3種にハイボール3種。すっかり堪能して店を後にしました。
お酒の種類や数を誇る店は数あれど、この店ほどお店の方のもてなしの心を感じる場所を私は知りません。それが押し付けがましくなく、逆にお店の方もそれを楽しんでいるようにすら感じられるところが、この店をまた訪れたくなる理由です。機会があれば是非、みなさんもお連れしたいですね・・・
Bar レモンハート
練馬区東大泉4-2-15
原田屋ビルB1F
03-3867-1682
マンガのレモンハートはピンと来ましたが、
作者がオーナーだったとは!!
それにしてももてなしの心というのは、
もてなされる側の資質と高いレベルで融合しないと
空回りしてしまいそうですね…。
こういうトコにフツーに行ける魚花さんて素晴らしい。
噂ではたまにオーナーもお店に顔を出すそうです。
もてなしというのは、やっぱり心だと思うんです。
「ご馳走」と同じで、その用意に心をくだき、走り回る。
その心遣いが嬉しいんですよね・・・。
一度かっしーさんを連れて一晩中バー巡りをしてみたいですねぇ(笑)