Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

フェルメール展

2008年09月05日 | 美術・芸術

上野の東京都美術館で開かれているフェルメール展に行って来ました。

今日は少し出足が遅くなってしまったので覚悟はしていたのですが、予想通り、会場は結構混んでいて、時間がなかったこともあり、今日のところはフェルメールしか見ることが出来ませんでした。

それにしても、日本初公開の5点を含む7点のフェルメールを一度に見れるとは、何と幸せなことでしょう。この時期、この場所に居ることがとてもラッキーに思える、そんなひと時でした。

今回も図録は買わず、絵葉書を数枚買っただけですが、絵葉書をさらにデジカメで写真に撮ったところで、フェルメールのあの陰影に富んだ静謐な画風が再現出来るはずもなく、隔靴掻痒、もどかしさばかりが募ります。やはりフェルメールは実物を見なければと、改めて思いました。


(フェルメール「小路」1658~60年頃)

2点しか現存しない風景画のうちの1点だそうです。小さな作品ですが、かっちりとした構図のなかに奥行きが感じられて、とても味わい深い絵でした。


(フェルメール「リュートを調弦する女」1664年頃)


(フェルメール「ヴァージナルの前に座る若い女」1670年頃)

先日コローの女性像を見て、その肌の柔らかな風合いに感動したばかりですが、フェルメールが描く女性は、どこかうつろで、それでいてこちらの視線を引き付ける眼差しをしています。画面の片側からほのかに当たる光の加減は、これぞフェルメールという感じです。


(フェルメール「手紙を書く婦人と召使い」1670年頃)

なかでも私が一番気に入ったのがこちら。もともとはウィーン美術史美術館の「絵画芸術」が来る予定だったのが急遽取りやめになり、代わりにやって来たのがこの絵です。左側の窓から差し込む柔らかな光、手紙に没頭する婦人とそれを半ば退屈そうに待つ召使いとの対比、縦と横の線を効果的に使った構図。もう何も言うことがありません。(この絵の絵葉書が売っていなかったのがとても残念です。)

展示は他にもファブリティウスやピーテル・デ・ホーホなど、デルフトゆかりの画家の作品が並んでいたのですが、残念ながら今日は時間がなく素通りしてしまったので、会期中にまたいつかもう一度行ってみたいと思っています。

フェルメール展
2008年8月2日~12月14日
東京都美術館


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6 コメント

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ありがとうございます (山本)
2008-09-06 08:28:51
 日本にいながらにして、フェルメールの作品を7点も見ることが出来るのは関東圏に住んでいる者の特権でしょうね。
 平日の夕方でも、会場はやはり混んでいましたか?
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混んでました (魚花)
2008-09-06 10:11:56
このところ金曜日の会社帰りに美術館に行くことが多いですが、案外空いていることが多く、これは狙い目かな?と思っていたのですが、フェルメールはさすがに別格でした。やはり平日どこかで休みを取って行くのが一番のようです。
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了解です (山本)
2008-09-06 10:32:36
 夏休みも終わったので・・・と、甘い考えでいたのですが、平日に行くようにします。
 蛇足ながら、上野って駅前の生活感と西洋美術館から東京都美術館、東京芸大へと続く道のコントラストというか、ギャップがすごい場所と思います。
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上野は (魚花)
2008-09-06 18:12:56
本当に不思議な街ですよね。公園を中心に、色々な世界が集まっています。普段のアカデミックな静けさから、花見シーズンの猥雑さまで、本当にギャップが大きいところです。



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いいなー (文泉)
2008-09-10 19:31:12
なんですてー J.Vermeerが7点も同一会場で観ることが出来るなんて しかも日本で いいな いいな     作品後方斜め上からの微妙な光 広角による画面構成 更に隠し味としてのウルトラマリンブルー 兎に角 1点に惹きつけてしまう技量のすごさ いいなー 
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贅沢です (魚花)
2008-09-10 22:46:45
本当に贅沢なお話ですよね・・・。
上野はさすがに混み方が半端ではありませんでした。
会期が長いので、どこかで平日、半日でも休みを取って
最低でももう1回は観に行きたいと思っています。
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