Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

ヴィンテージ・レコード

2009年08月03日 | オーディオ

年代物のプレーヤーを嫁に出す際、さしあたって手持ちのレコードがないという友人のために、何か1枚レコードを進呈しようと思いました。

しかし、手持ちのレコードはそれこそ厳選に厳選を重ねて残してきたお気に入りばかり。それを譲るのはさすがにちょっと辛いですし、かと言って気に入らないものを贈るのも本意ではないので、新たに調達することにしました。

調べてみると、神田にクラシックの海外レーベルを専門に取り扱う(勿論、中古です)店があることを知り、会社の帰りに寄ってきました。

神保町の駅を下りて、すずらん通りを少し歩くと、とあるビルの1階入口に目的の店の看板が出ています(冒頭の写真)。古ぼけたエレベーターで4階へ。

(お店の入口)

なかを覗くと、あります、あります、昔はどこでも見られた光景さながらに、レコードが縦に並んでいます。



店の中は結構広く、海外の(日本のレーベルは置いてありません)見慣れたレーベルから見たことも聞いたこともないレーベルまで、整然と分類されたレコードが並んでいます。

初めのうちは、知っているレーベルの箱を手当たり次第に見ていたのですが、数が数だけに、なかなか要領を得ません。意を決してお店の方がおられるカウンターのところに行き、「初めて来たんですが・・・」と尋ねてみました。すると、お店の方は快く「お探し物のお手伝いをさせて頂きますよ」と仰ったので、それではとバッハのブランデンブルク協奏曲をキーワードに、在庫を検索して頂きました。

驚いたことに、これだけ在庫があるのに、その全てがデータベース化されていて、検索結果がすぐにプリントアウトして頂けます。その数、A4版で5枚。



その5枚を何往復もして眺めましたが、ステレオのLPはもとより、モノーラルや、果てはSP盤まであり、お値段も数百円から数十万円(1枚がですよ!)まで、それこそピンキリ。これは大変な宝の山に迷い込んでしまいました。

リストを手にしばらく途方に暮れていたのですが、ふと私のアンテナに引っかかってきたものがありました。そのレーベルの箱の前に立ち、レコードを1枚ずつチェックしながら探すこと10分。ありました。



仏(フランス)フィリップス盤で、バッハの有名な曲ばかりを集めたもの。演奏しているのがそれぞれフィリップス・レーベルを代表する有名な演奏家ばかり。そして何よりもそのジャケットが凝っていて、タイトルにもある「バッハとその時代」を表わす年表や関連する写真が24ページにわたって掲載されています。





ジャケットに録音年の記載はありませんでしたが、ジャケットの裏の演奏家の写真を見ると、年代的には1960年代から1970年代のものでしょう。

このお店の特徴は、店頭にあるレコードは全て試聴させてくれるところ。私もこのレコードをカウンターに持って行き、試聴させて欲しいと告げると、「どうぞ、ご自由におかけ下さい」と、カウンター前にあるプレーヤー(ヘッドフォンが繋いであります)を使わせてくれました。

レコード自体は年代物ですし中古ですから特有のパチパチ音はありますが、それでも目立った疵もなく、反りも許容範囲。何よりも、古き良き時代を彷彿とさせる、そのどことなくのんびりとした演奏に、一発で魅せられてしまい、めでたくお買い上げと相成りました。

今回は閉店時間が近づいたのであまりゆっくりとは出来なかったのですが、帰り際に、毎週発行している新着リストを頂きました。嬉しいことに、今後はこれを郵送して頂けるということなので、それを見ながらまた改めて訪問してみたいと思っています。



エテルナトレーディング
東京都千代田区神田神保町1-19 ポニービル4F
tel 03-5283-0856 / fax 03-5283-0858
営業時間 12:00 ~ 20:00 (火曜定休)

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