前回の続きということで、札幌にあるレンガ造りの建物と言えば、何と言っても「赤れんが庁舎」こと「北海道庁旧本庁舎」。
1882年(明治15年)の開拓使廃止後、北海道に、函館、札幌、根室の三県が設置されましたが、その三県も1886(明治19年)年に廃止となり、新たに北海道庁が設置され、二年後の1888年(明治21年)に、この「赤れんが庁舎」が完成しています。
1909年(明治42年)に内部を全焼する火災に見舞われるも、れんが壁はさしたる損傷もなく、二年後の1911年(明治44年)に復旧工事が完了し、その後、北海道百年を記念して、1968年(昭和43年)に、創建時の姿に忠実に再現されました。
再現の前年、1967年(昭和42年)には国の史跡に指定され、1969年(昭和44年)には、国の重要文化財にも指定されています。
ここへやって来た一番の目的は、そう、レンガの積み方を確認するため。
壁に接近してよく見てみると・・・。
横一列において、小口と長手が交互に並んでいます。
つまりこれは、「フランス積み」というわけです。
「フランス積み」とは、ベルギー全土からフランス東北部を指す「フランドル地方」の積み方で、正確には「フランドル積み」と言います。(細かい部分では諸説あるみたいだけど、これが「フランス積み」と誤訳されたということのようです。)
これまで行ったことのある建物では、函館の「BAYはこだて」がこの積み方ですが、函館だけなのか他の地方もなのかはわかりませんが、「金森赤レンガ倉庫」の公式HPによると、「フランス積み」は、1886年(明治19年)頃まで使われた技法で、以降はイギリス式が主流の積み方となったとされています。
「赤れんが庁舎」の完成はそれよりも(二年だけど)後というのが、何とも興味深い気がしています。
中へ入ってみましょう。
歴史感を強く漂わせ、重厚かつ豪華な雰囲気を醸し出す階段がありました。
この建物は、北海道開拓関係資料や樺太・北方領土関係資料、それに歴史文書や国際交流関係資料などを展示・保存する施設として活用されており、入館無料で自由に見学ができますが、建物の一部の部屋は、現在でも北海道職員の執務や会議に用いられている(勿論許可なく入室はできない)ので、見学の際はご注意ください。
基本的に撮影は自由なのですが、中で見た展示物の中で一番印象に残ったのが、この庁舎の模型・・・ではなく、実はこれ、お菓子なんだそうです。
南極で百年前のケーキが発見され、果たして本当に食べられるのかと話題になっていますが、これはどうなのでしょうか・・・?