趣味のおたより ８月号 「わたしのひとりごと」 より

　夫がサラリーマンをしていた頃、機会があれば家族全員で「原信夫とシャープ＆フラッツ」のコンサートを聞きに行っていました。二人の娘達が厚生年金会館で始めてビッグバンドのジャズを聴いたときは飛び上がる程驚いたのを覚えています。新日本フィルのコンサートからは、想像出来ない大きな音ですから。
　先月あの大きな地震のあった日、久し振りに五反田の「ゆーぽーと」でシャープ＆フラッツの演奏を聴きました。プログラムの最後にシャープの「Ａ列車が行く」が演奏されたとき、私自身驚きましたが、涙がポロポロ流れてきたのです。

　元気いっぱいの曲を聴きながら涙が出るなんてびっくりでした。涙を拭きながら「何で涙が…」と自問自答です。
　本当に久し振りに演奏会に来られた私に「Ａ列車」の曲が、私のこの二〇年間をねぎらってくれているようでした。
　地震の影響を気にしながらも最高に幸せな一刻でした。　

趣味のおたより ８月号「あるじのつぶやき」 より

　季節の変化に追いつけず、あれよあれよという間に夏休みシーズンが来てしまいまた。私の小さな庭にも緑を求めて鳥や蝉、虫やらが訪れてきます。少ない花に蜜を求めてキアゲハやクロアゲハは眼を楽しませてくれます。
　
　今年はふと山椒の葉に蝶が生み付けた幼虫を見つけました。葉をモリモリ食べて居ましたが、見ているととても食料不足の感じなので、柚子の葉先をむしってパックに移して飼ってやりました。葉っぱを食べているのを見ていると可愛いとさえ感じます。蚕と同じように、サナギになる課程は私には小さい頃の思い出と重なります。慌ててパソコンで調べたり知り合いに聞いたりしました。
　
　ある朝、庭に置いてある箱を見るとバタバタと何か動いて居るではありませんか。ちょっとした驚きと同時に感動さえしました。蓋を開けるとアゲハは勢いよく飛んでいきました。
　翌日から飛んでくる蝶は私の所で育った蝶達と思いこんで眺めています。