FORTY THREE-SEVEN

43カーモデルとその他の事柄
その他の方がたぶん多い

復刻とパロディとワタシ

2021-08-21 06:00:00 | 映画

漫画家の、みなもと太郎さんがお亡くなりになりました。

代表作は 風雲児たちかぁ 
やっぱそうなるよな
ただ、風雲児たち、紹介されるときに
関ケ原の合戦から始まる。みたいな言い方をされていて
それは間違ってはないんだけど
冒頭の幕末を描くために、いろんなことの原因を調べていたら
関ケ原までさかのぼらないといけないことに気が付いた
という話がまるっきり飛ばされていて
これでは只の歴史ものになってしまう
演繹的歴史観というか(いいません)
ワタシと氏の作品の出会いは
これ

漫画少年という月刊誌がありそれが廃刊になって
そのテイストを目指した雑誌
まあ、要は手塚治虫先生に火の鳥を連載させるための雑誌(笑)
この当時、ワタシは火の鳥の面白さに気が付きませんでした
復活編なんかすごいバロックだと思います
この雑誌は 高橋葉介氏やますむらひろし氏を輩出し
藤子不二雄先生のSF短編も積極的に掲載するという
今だったら紙のような雑誌でした
そこに掲載されていた、マンガ評論
みなもと太郎先生の
お楽しみはこれもなのじゃ

これは河出文庫版で
初単行本はこちら
いまAmazon探してもこの文庫版しかないんだよなぁ
オリジナルの単行本はこちら


杉浦茂先生の猿飛佐助が紹介されているんだけど
偶然、同じころ小学館が文庫版で古い漫画の復刻をして
この作品を読み、大笑いするのでした
和田誠さんのお楽しみはこれからだのパロディなのですが
漫画の中の名セリフをうまく引用していて
実に素晴らしいマンガ評論なのです。
装丁を和田氏に依頼したらしいんですが
”真似て書いていいからそっちでやってください”
と言われたそうです(笑)
和田誠さん太っ腹
連載は79年まで続くのですが、
本家のキネ旬で連載再開にあわせてこちらの連載は終了となったようです。
単行本化されたのは
1991年
長かった
と思ったけど連載終了から単行本化までの年月よりも
単行本化から現在までの時間のほうが長くなってしまった
歳はとりたくいないものであります。

風雲児たちは
大学のころ先輩に勧められて読みました。
なんか途中で止まっていたり、掲載紙が潮出版だったりして
アレなのです(笑)
宗教的に含むところはないのですが
潮出版だと単行本が入手しにくいんですよ
まあ東京なら今は亡き高岡書店へ行けばよかったわけですが。
これなぜか、マンガ業界にファンが多かったらしい
この作品の特筆すべきは
田沼意次を好意的に描いたことでしょう
印旛沼の干拓や蝦夷地の開拓
これを公共投資による景気の刺激策と描いたので
これは画期的なものでした。
このころ田沼意次を好意的に描いたのは
池波正太郎先生くらいですね。
フィクション作品では
賄賂政治とか、腐敗の代名詞のように描かれておりました。
風雲児たちの原型ともいえる作品が

この冗談新選組 左先頭は、副長 土方歳三です
キャラクターにオールスターシステムを採用しているので
ほかの作品のほかの歴史上の人物と似ている場合があります(笑)
これ、NHKで三谷幸喜氏が大河ドラマの脚本を書いたときに
復刻されてお二人の対談が載っています
これはまあ、司馬遼太郎先生の新撰組物のパロディみたいなものですが
この作品集の注目すべきは
解説文書付きで描かれた
仁義なき 忠臣蔵

まあ忠臣蔵だから
松の廊下から始まるんだけど
赤穂の場面になると

これが広島弁という
まあ、よく考えれば当たり前ですわな
ちなみに、二枚目俳優が演じることが多い
堀部安兵衛は新潟弁で
吉良上野介は三河の人なので名古屋弁です

みなもと先生は
むかしから女性キャラクターがかわいい
それも時代が下ると、絵柄が変化して
その当時の今風になっておるのですよ
この、忠臣蔵では
大石内蔵助をお家再興をもとめる
実直な事務屋としての一面を描いていて
これまた異色

張った札は全部勝ちやった
これから100年200年と勝ち続ける
と最後に言う内蔵助
まあ史実なわけではないのですが
フィクションのエンディングとして
カッコよくて 泣けます。
これ、三谷脚本でドラマ化しないかなぁ
解説は三谷氏でさぁ
90分くらいで行けるんじゃないか

まあ、風雲児たち以外にも
面白まんがたくさん書いていらっしゃいます

何はともあれR.I.P

おまけ
変換履歴を記憶しているのかIMEの辞書に入っているのか


予測変換で・・・


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