「ちょっと1杯飲むくらいだと、居酒屋とか焼き鳥屋とか行くより楽なので」と安めの価格設定で、“ちょい飲み”店舗が首都圏で大きく売り上げを伸ばしています。しかし、気軽さが『チョイト一杯の つもりで飲んでいつの間にやら ハシゴ酒気がつきゃ ホームのベンチでゴロ寝これじゃ身体(からだ)に いいわきゃないよ 分かっちゃいるけど やめられねぇ ア ホレ スイスイ スーダララッタ』となってしまう危険を含んでおり、アル中予備軍も新たに発生させます。とりあえずとかお気軽はあくまで企業の儲け論理。自己規制が出来る人にのみに通じる言葉をそのまま受けしてはいけません。くれぐれも要注意です。
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食事がメインだった店舗でお酒が飲めるようになる、いわゆる“ちょい飲み”を始める店舗が去年から増えています。ユニークな“ちょい飲み”店舗も登場していますが、その勢いは、なぜ止まらないのでしょうか。
ビールにワインにハイボール。一見、カフェバーのようなこのお店。おつまみのメインは、フライドチキンです。なぜならここはケンタッキーフライドチキン。午後5時からは、おつまみメニューも登場して“ちょい飲み”が出来る新しいスタイルの店舗なのです。さらに女性客を狙い、コーヒーやスイーツなども充実。
「今回は20代から30代の女性をターゲットとして、女性の方でも1人で入りやすいお店を作っていきたい」(日本ケンタッキーフライドチキン 大竹彩子さん)
去年は牛丼チェーンの吉野家やフレッシュネスバーガーが“ちょい飲み”に乗り出しましたが、その後も外食業界の“ちょい飲み”への参戦は止まりません。“サラリーマンの味方”のこちらのお店でも・・・。立ち食いそばチェーンの「名代 富士そば」は、去年の7月から首都圏の一部の店舗を「ふじ酒場」として展開。生ビールやハイボールなどのアルコール類の価格は200円台という安さ。おつまみも、かつカレーのライス抜きや、天ぷらそばのそば抜き、そば通御用達の「抜き」を提供。価格も200円前後と安めの設定です。
「ちょっと1杯飲むくらいだと、居酒屋とか焼き鳥屋とか行くより楽なので」(客)
安めの価格設定でも、“ちょい飲み”を始めてから大きく売り上げを伸ばしているといいます。
「改装前と比べて(月に)100万円の売り上げの上乗せがある。お酒を提供し始めて、お客様の幅は広がった」(ダイタンフード 田原和哉営業係長)
外食産業の市場規模は1997年のピーク時から縮小傾向。今やどの店舗もいかに売り上げの減少を食い止めるかが課題になっていますが、都心部では出店を増やすのも限界に近づいています。こうした中、従来の店舗で“ちょい飲み”を始めることで、ピークの時間以外でもお酒目当ての客が訪れたり、居酒屋は入りにくいという女性客を狙えるなど、新たな客層を発掘できるというのです。
実際、去年参入した吉野家は、既に4分の1以上の店舗で、フレッシュネスバーガーは3分の1以上の店舗が“ちょい飲み”対応になっています。
「(夜)9時10時になってしまうと皆さん帰られてしまう。『あと1杯』という気持ちを、こちらに傾けていただければ」(日本ケンタッキーフライドチキン 大竹彩子さん)
コーヒーチェーンの「スターバックス」もアルコールが飲める新しい形態の店舗を今月30日にオープンします。“ちょい飲み”客をどう取り込むのか。競争は激しくなりそうです。