『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

「コロナ禍の大学入試」激変する私大入試、早大政経・青学・上智・立教が導入する新方式

2020-08-06 07:21:07 | 日記
個人的には9月入学が見送られ、日本の若者たちが世界から置いてきぼりされ厭世感すら感じますが、個々の大学入試は過去40年間では初めて大きく変わっているようです。キーワードは一般選抜で共通テスト採用です。共通テストは、センター試験より思考力が問われる問題が多く、平均点も従来より低くなると想定されているようですが、優秀な外国人留学生を取りにくいのが一番の問題です。いずれにしても、早く、9月入学制度を導入すべきです。
以下抜粋コピー
21年度入試では、入試方法の変更も大きなトピックだ。特に注目されるのは一般選抜で共通テストを組み入れた新たな入試を導入する早稲田大の政治経済学部、上智大、青山学院大、立教大、学習院大など。駿台教育研究所進学情報事業部部長の石原賢一さん曰く、「関東の難関私大がこれだけの改革に動くのは過去40年でおそらく初めて」という。
「これまでの改革は関西の私大発だった。1回の入試で複数の学部・学科に出願できる『全学部入試』もそう。今回、首都圏の私大でも共通テストの新しい利用方式が広がる可能性がある」(石原さん)
 とりわけ専門家が注視するのは早稲田大の政経だ。共通テストと独自試験の合計点で選抜する方式を新たに採り入れるが、共通テストでは数学1・Aを必須とする。独自試験も内容を刷新し、「総合問題」とする。日英両言語による長文を読み解き、記述で答える問題もある。留学生を増やしつつ少人数教育を徹底するため、一般選抜の定員を450人から300人に減らすという大改革だ。川岸令和・政治経済学部長は「急に変わったという印象を持たれるかもしれませんが、入試改革が先ではなく、カリキュラム改革が先行し、合わせて入試も変えた、というのが実態」と説明する。
「政治学も経済学もいまや数理統計的な分析が欠かせません。主要な科目は日英両言語で開講するなど授業をハイブリッド化しているので、ある程度の英語力は必須。社会的テーマへの関心も持っていてほしいし、ベースとなる思考力・判断力・表現力も重要です。それらの資質を測れる入試にするのが本学部の入試改革の目的です」
 川岸学部長は入試の難化を恐れて受験者が減ることを「正直心配している」と言うが「逆に暗記は不要で普段の勉強をしっかりしていれば対応できる。入試改革は我々が目指す教育についてのメッセージだと受け取ってほしい」と語る。
 上智大は共通テストを利用した選抜方式を新設する理由の一つを、「共通テストは、センター試験より思考力が問われる問題が多く、平均点も従来より低くなると想定されている。基礎学力を測るために活用できると判断した」(学事局入学センターの飯塚淳さん)と説明する。
 もう一つの目玉は、TEAPなど外国語の外部検定試験のスコアも利用できるようにする点だ。三つある方式の一つ、「TEAPスコア利用型」は共通テストは利用せず、同スコアと独自試験の合計点で合否を判定。昨年まではTEAPを出願要件としてのみ利用していたが、来年度入試では同スコアを独自の英語試験の代わりに活用する。
 旺文社の「蛍雪時代」編集部大学入試分析チーフの小林弘明さんは「英語が得意な生徒には有利」と見る。
上智や学習院などは新たに共通テストの結果だけで合否判定をする入試も導入。受験生の志望動向への影響について、河合塾の教育情報部部長の富沢弘和さんは「コロナ禍で首都圏に行くのを避けたいと考える地方の受験生にはメリット」と話す。ただし、「志願者の延べ数は増えるだろうが、学内併願を除く『実志願者数』がどれほど増えるかは未知数」とも。
 青山学院大も個別学部日程の入試で、経済学部を除き、共通テストと大学独自試験の組み合わせで合否を決める方式を導入する。阪本浩学長によれば、基礎学力の測定は共通テストに委ね、その分、大学が独自に作成する総合問題や小論文で、より丁寧に思考力や判断力、表現力を見るのが目的だという。
「かつては個別大学の一般入試でも記述論述の力が問われたが、マークシート方式が主流になるに従い、受験生が暗記型の勉強に注力するようになった。その弊害をなくし、高校までのアクティブラーニング的な学びがしっかりと大学での学びにつながるよう転換する必要がある。偏差値でなんとなく大学を選ぶのではなく、青学で○○を学びたい、という目的意識を持つ主体的な学生に来てもらいたい」(阪本学長)
 立教大も大胆だ。変更のポイントは二つ。まずは独自の英語試験の廃止だ。文学部の3科目による試験日を除き、独自の英語試験の代わりに、英語民間試験のスコアもしくは共通テストの英語の成績を活用する。両方提出することも可能で、独自の換算方式でより高い得点になる方を合否判定に使う。
コロナ禍で英語民間試験が受けにくくなったことは想定外だったが、同大入学センター入試広報担当課長の和田務さんはその狙いをこう語る。
「本学ではグローバルリーダーの育成を目指し、20年度から1年次の英語ディベート科目を必修化した。そこに対応できる実践力と英語4技能を高める意欲のある学生に来てほしい」
 二つ目のポイントは受験機会の大幅な拡充だ。文系学部では最大5回(文学部は6回)の受験が可能だ。共通テストの成績のみを利用する入試も3科目型、4科目型、6科目型があり、様々な方式を組み合わせられる。
 一方MARCHの中で明治大、法政大、中央大は入試方式を大きく変えない。
 大学による対応の差は、志願動向にどう影響するのか。河合塾の富沢さんの見方はこうだ。
「個人的には早稲田政経や青学の個別日程での総合問題の導入は、国の大学入試改革の方向性に沿い評価しているが、敬遠要因になりそうだ。逆に来春の入試は『変わらない』ことが人気上昇の要因になると思う」
 今度の入試は受験生だけでなく大学関係者にとっても、不安と期待の入り交じったものになりそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする