『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

”コロナ後”の家計が心配な人へ 『定年後』楠木新氏が30年続けるカンタン家計管理法

2020-08-04 07:28:19 | 日記
お金を自分の裁量で、楽しみのために使えるのは75歳くらいまで だそうです。そう考えればお金では幸せが買えると思っていることは誤解 ですね。一昨日、昨日と当ブログで2日連続で幸福について取り上げていますが、昨日紹介したニュージーランド政府の説明によると、「幸福とは、人々が目的、バランス、意味をもって充実した人生を送ることができるときのことである」と定義しています。定年になっても、今の居住地から半径2キロ以内(同じ場所に住めれば尚良い)、友人や知人と関係を継続できる距離そして収入の多さではなく(もちろん、病気にかかった時の保障や日々の生活が困らないのが最低条件です。)、やりがいのある仕事を持っているということです。禅の『十牛図』では煩悩を滅して悟りの境地に達するには、真の自分に向き合うことが大切だと教えています。真の自分の姿を見つけることが幸福への第一歩でしょう。

以下抜粋コピー
定年を迎えると、これまでの生活が大きく変化します。老後資金に不安を抱えている人も多いでしょう。しかし、定年前後の人を数多く取材してきた作家の楠木新さんは、「老後不安の正体はお金ではない」と指摘します。老後を安心して過ごすにはどうしたらいいのか、「定年後のお金」の考え方を楠木さんに聞きました。
頭の中だけで「30年後」に飛び、不安になる
 7年前から、定年前後のサラリーマンに話を聞き始めました。気になったのが、会社一筋で働いて定年した後、貯(た)めたお金を自分の楽しみのために使えていない人が結構いることです。「人生100年時代」だからといって、老後に備えるためのお金の増やし方や、ため方ばかりに注目が集まりすぎているように感じています。定年退職前は年金とか失業保険とか、お金の計算で頭がいっぱいの人も多いのではないでしょうか。
 90歳まで生きると仮定して、頭の中だけで「30年後」に飛んで、お金がマイナスにならないように逆算する。5年先、10年先さえ分からない時代に、30年も先のために準備しようとする発想自体が、老後不安の一つのポイントだと思うのです。
うまくお金を使うには「主体性・行動」が大切
 「お金」と「定年後の過ごし方」を分けて考えている人は、楽しそうに見えません。お金は大事ですし、定年後の生きがいを支える手段の一つですが、お金で定年後の居場所が買えるわけではありません。
 定年後の人生を充実させて、うまくお金を使うために大切なことは、「自らの主体性(好奇心)」と「行動」だというのが、取材してきた実感です。定年後も自分の興味あることに積極的に取り組むことが大切です。自分の楽しみを見つけている人は、そこにかけるお金は多額ではありません。その対象になるのは、小商い、組織で働く、趣味、地域活動・ボランティア、学び直しなど、何でもよいでしょう。自分に合ったものに取り組むのが大切です。
 多くの人にフィットするのは、「仕事=働くこと」だと思います。手持ちのお金の金額だけでなく、長く働けること自体が大きな財産です。働いて社会の役に立ち、お金がもらえることが、やりがいにもつながります。定年後は、いくつかのことを並行してやれるので、「仕事か趣味か」の二者択一ではなく、「仕事も趣味も」と考えた方が健康的です。「合わせ技一本」という考え方です。
大丈夫、あなただけじゃない
 お金を自分の裁量で、楽しみのために使えるのは75歳くらいまででしょう。主体性を生み出すのは難しいですが、人との出会いに触発される人や、リストラや合併、震災、病気などで転機を迎えた人にたくさん会ってきました。定年後に何をしたらいいか分からず、なかなか行動を起こせない人も多いです。でも大丈夫。それはあなただけではありません。
 毎日を楽しんでいる人は「いい顔」をしています。「何か」を見つけるのに決して遅すぎることはありません。子どもの頃から好きだったことをもういっぺんやってみたり、「いいな」と思う人と自分を重ね合わせてみたりすると、今後のたどる道筋が見やすくなります。言い換えれば、自分が「いい顔」になるものに取り組めばよいといえるでしょう。
90歳まで生きると、財産はどうなった?
 私は定年退職した2015年、証券会社で財産のシミュレーションを受けてみました。90歳時点での財産はマイナス。これを体験し、老後のお金が不安になる原因は、定年後にどれだけお金を使うか分からないことだと感じました。
 試算の前提は60歳以降に働かず、60歳と80歳の生活費が同じというもの。私の周りでも、60代で働いていない人は少数派です。60歳以降、月8万円でも働いたら年間100万円、10年間で1千万円になるでしょう。夫婦でともに働けば2千万円になるわけです。
 私はファイナンシャルプランナーではないので、細かいお金の計算までは示しません。ただ、定年前後の人に取材をしてきた中で、「老後のお金が不安だ」と口にする人ほど、自分の家計を管理できていない人が多いと感じます。今の財産をきちんと把握してから未来に目を向けることは、頭の中だけで「30年先」に飛んで逆算して不安がるよりも実用的でしょう。
今の自分の家計を「見える化」してみよう
 「家計管理」というと、家計簿を思い浮かべる人がいるかもしれません。工夫されている市販の家計簿も多いですが、手間がかかる割に家計の全体像は見えにくいと思います。何より続かない人が多いでしょう。家計の状態を大まかに「見える化」するだけで十分だと思います。私は30年間、家計に企業のバランスシートの考え方を採り入れた「財産増減一括表」を作ってきました。会計上の知識や専門用語は必要ありません。半年ごとに資産の増減を見る方法です。
<家計の「財産増減一括表」に書き込む項目>
  • 【資産】
  • ・現金および預貯金
  • ・株式、投資信託など
  • ・保険
  • ・住宅・土地
  • ・自家用車
  • ・年金資産など
  • 【負債】
  • ・住宅ローン
  • ・自動車ローン
  • ・カードローン
  • (楠木新著『定年後のお金 貯めるだけの人、上手に使って楽しめる人』より)
 手順はシンプルです。大判のノート(A4判を推奨)に、見開きで左に3月末、右に9月末を書きます。そして「資産」の項目には、現金や銀行預金の残高を書きます。株式や投資信託を持っていれば、その通知を書き写します。会社員の家計では、減価償却が必要なのは建物か車がほとんどなので、そこから減価償却の年数で割った額をマイナスして計上します(償却期間は、建物20年、車6年)。
 一方、「負債」の項目には、住宅ローンや自動車のローンなどの負債額を書き込みます。最終的に「資産-負債」の引き算をすれば、本当の財産額を算出できます。その上で、資産の各項目に半年前との増減額を入れれば、一目で比べられます。半年ごとの増減が分かれば、自分の財産の変動やお金の使い方の傾向が見えてくるでしょう。もし純資産額がマイナスなら、原因をきちんと押さえておきましょう。
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