『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

「日経平均3万円超え」の「コロナ・バブル」現実味

2020-11-23 08:17:48 | 日記
この連休は、日本医師会長が「我慢の3連休に」と呼びかけ、政府が「Go To キャンペーン」の運用見直しを公表したため、宿泊施設のキャンセルが出るなど多くの観光地や駅では人出が減ったが、大阪府では、過去最多となる490人の感染が確認 されました。もはや旅行・観光・宴会などは急速に萎むでしょう。こうした中でも大規模な金融緩和とコロナワクチン実用化期待で好調が持続しているのは株式市場です。 これは「コロナ・バブル」といえるが、逆説的には、ワクチン接種によりコロナが大方収束し経済が正常化し、中央銀行が輪転機を止めるまで「コロナ・バブル」は終わらないとみるべきでしょう。
以下抜粋コピー
日米で国のトップが交代し、市場は連日の株高に沸いている。だが、トップが誰になろうとも、今後も株高トレンドは続くのではないか、と見ている。その最大の理由は、各国の中央銀行がこれまで行なってきた大規模な金融緩和を、新型コロナウイルスの景気対策として続けざるを得ないからだ。金融緩和とは、市場に出回るお金の量を増やして景気を上向かせようとすること。世界中の中央銀行が、輪転機を回して紙幣をばら撒くように資金供給量を増やし続ける限り、株式市場への資金流入も止まらないだろう。
 もちろん、全面的に一本調子で上がり続けるわけではない。コロナの感染拡大が進むなか、これまでは巣ごもり需要を背景に業績を拡大してきた米国の巨大IT企業「GAFAM」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)を中心とした「グロース株(成長株)」がこぞって買われてきた。
 ところが、米ファイザーが11月9日、開発中のコロナワクチンの治験で「90%を超える有効性が確認された」と発表すると、「コロナが近いうちに収束に向かい、景気も回復するのではないか」という投資家の期待が高まり、相場は一変。それまでコロナ禍で売り込まれていた航空や旅行関連などの「景気敏感株」が一気に買い戻され、構成銘柄に景気敏感株を多く含むNYダウが急騰した。反対に、それまで買いが集中していたGAFAMなどのハイテク株中心のナスダック総合指数の上昇は一服した。
 米国との連動性が高い日本株市場でも同様の動きが見られた。景気敏感株の上昇によって、日経平均株価は29年ぶりの最高値を更新して上昇する一方で、コロナ禍で堅調だった巣ごもり消費関連銘柄を多く扱う東証マザーズ指数は下落。日米ともに、「グロース株」一辺倒から「バリュー株(割安株)」を見直す動きへとシフトしているのだ。
ただ、その後の値動きを見ると、「グロース相場」が完全に潰えたわけではなく、日によっては息を吹き返している。当面は「グロース」と「バリュー」を行き来する「循環物色」が続き、どちらかが下がってもどちらかが上がることで、株式市場全体の水準も徐々に上がり、株高局面が当面続くことが予想される。
 株高が続きそうな要因はまだある。企業業績を見ると、コロナ禍で今期(2021年3月期)の数字が悪くなるのは必至だが、落ち込んだ分、来期(2022年3月期)は軒並み大幅増益が期待できる。金融緩和により企業の資金繰りが下支えされることに加え、企業業績の大幅回復や、バイデン氏の米大統領就任後の大型経済対策も期待できる。
 バイデン氏は、トランプ政権下で富を蓄えてきた大企業や富裕層向けの増税強化を掲げている。だが、コロナの景気対策のためアクセルを踏んでいる時に、景気を冷やしかねない「増税」というブレーキを拙速に踏むようなことはしないだろう。何より、下院は民主党優勢でも上院は共和党優勢であり、上下両院の「ねじれ」によって、バイデン氏の政策がそのまま通ることは考えにくい。
 株価の重石となる要因が見当たらない以上、米国株(NYダウ、ナスダック総合指数)の史上最高値更新が続くのはもちろん、日経平均株価もさらなる上昇が予想される。このままの勢いで推移すれば、来年には「3万円超え」があってもおかしくない。来期の企業の業績予想が出揃う2021年6月、あるいは中間決算が出揃う2021年11月からクリスマス商戦にかけて回復基調が鮮明になると、「日経平均株価3万円超え」が現実味を帯びる可能性もある。
 各国の中央銀行の金融緩和によって大量の資金が株式市場へと流入し、どこの国も事実上の「官製相場」になっている。これは明らかに「コロナ・バブル」といえるが、そうである以上、コロナが収束して経済が正常化し、中央銀行が輪転機を止めるまでバブルは終わらないと見た方が良いのではないだろうか。
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