7月の米卸売物価指数(PPI)の下落を受けて米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急ぐとの観測が後退している。ただ、米長期金利は本日上昇している。
PPIは前月比0.5%下落と、市場予想の0.2%上昇に反して低下した。前日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)に続いてインフレ圧力の緩和を示したと受け止められた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が広がり、金融引き締めが米景気を冷やすとの懸念が薄れた。
今のところ、米国経済は堅調だ。新型コロナ関連の刺激策や2年間にわたる低金利を背景に利益が増加し、多くの企業が堅調な状況にあることを反映している公算が大きい。米国がリセッションに向かっているとの観測にもかかわらず、米労働省が発表した7月の雇用者数は市場予想を上回る増加となり、積極的な金融引き締めにもかかわらず、経済が引き続き底堅いことが浮き彫りになっている。
アメリカの物価は昨年までの四半世紀2%前後で安定していた。この安定したインフレ率がなぜ、最近水準を切り上げてきたのか?一般的に言われる新型コロナやウクライナ危機が原因ではなく、別に“本当の理由”があるのではないか。
PPIは前月比0.5%下落と、市場予想の0.2%上昇に反して低下した。前日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)に続いてインフレ圧力の緩和を示したと受け止められた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が広がり、金融引き締めが米景気を冷やすとの懸念が薄れた。
今のところ、米国経済は堅調だ。新型コロナ関連の刺激策や2年間にわたる低金利を背景に利益が増加し、多くの企業が堅調な状況にあることを反映している公算が大きい。米国がリセッションに向かっているとの観測にもかかわらず、米労働省が発表した7月の雇用者数は市場予想を上回る増加となり、積極的な金融引き締めにもかかわらず、経済が引き続き底堅いことが浮き彫りになっている。
アメリカの物価は昨年までの四半世紀2%前後で安定していた。この安定したインフレ率がなぜ、最近水準を切り上げてきたのか?一般的に言われる新型コロナやウクライナ危機が原因ではなく、別に“本当の理由”があるのではないか。
今後発生するであろう経済問題はFRBの認識のズレです。昨年の第1ラウンドでは、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を事実上のキャプテンとし、インフレを「一過性」と位置付けた陣営が大敗した。インフレ率は大幅に加速し、予想よりも頑固なことが判明したからだ。この陣営は今、経済や堅調な労働市場に大きなダメージを与えることなく、物価圧力が大幅に低下すると見込んでいた。
一方、昨年の物価上昇に警鐘を鳴らしたアナリストの一部は、パウエル陣営が再び楽観的すぎる可能性があると警告している。インフレは根強く、それを劇的に減速させるには経済の収縮と大規模な雇用喪失が伴う可能性があると主張する。
昨年、金融当局のインフレ予測を声高に批判していたサマーズ元米財務長官は「リセッション(景気後退)に陥ることなくこの過剰なインフレ状況から脱出できる可能性は低い」と予想。「数年以内に失業率が6%以上になると想定する必要がある」と話す。バイデン大統領はコロナに脅え、お金を家庭にばら撒き過ぎた。7月の米卸売物価指数が下がったからと言って、サマーズ元米財務長官が指摘するように、リセッション(景気後退)なきインフレ後退が起こる可能性は低いと判断すべきでしょう。物価上昇に政策対応が遅れる「ビハインド・ザ・カーブ」なのでは――。