メタバースではネット空間のアバター(分身)や仮想の展示を通じ商品を売買できます。業界大手は国内で手掛ける約80物件のうちまず20物件程度をメタバースでも販売し、注文住宅の販売も検討します。コロナ下で不動産販売での非対面ニーズは高まっています。ネット経由で物件情報を3次元映像として見せてオンラインでの契約に結びつけます。地方や海外在住者など遠距離の需要取り込みも狙います。
メタバースを活用することで、立体的な映像で物件を再現できます。窓ガラスの形状なども詳しく把握でき、実際に部屋にいるかのように内見できます。実物では1物件で数タイプの部屋の紹介にとどまりますが、メタバースでは全ての部屋を見られるようにします。未完成の物件も含めてよりリアルな内見を体験できるため、成約に結びつけやすくなるとみています。
これまでメタバースの活用はゲームや小売りが中心でしたが、不動産などの高額商品にも広がってきました。住友不動産は、将来は要望があれば大半の業務をメタバースで実施する可能性もあるといいます。カナダの調査会社はメタバース関連産業の市場規模が2028年に8289億5千万ドル(約110兆円)と、20年の20倍弱に拡大すると予測するなど、メタバースの活用が当たり前になる未来はそう遠くないかもしれません。