福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

福聚講 今日の言葉  

2011-12-04 | 法話
「掌の中の無限」(マチウ・リカール(分子生物学者にしてチベット仏教僧侶)とチン・スアン・トアン(ヴァージニア大教授(天体物理学)共著)のなかから・・・

「循環型宇宙はたしかに可能ですね、・・・星が生まれ、燃料の水素とヘリウムを燃やして一生を送りそのあと核錬金術から生じる化学元素を含むガスを星間環境に放出して死ぬ。このガスは重力の影響で崩れ、新世代の星を生む、そしてそれがまた繰り返される。何百万年、いや何十億年にもわたってこの生と死のサイクルが相次いでおこるわけです。45億年前につまりビッグバン後115億年経って現れた太陽はすでに第三世代の星ですよ。銀河は進化の過程にある何十億もの星の群れだけれど、これもやはり時間と共に変化しなければなりません。

おまけに空間の中で動かぬものは何一つありません。重力の働きで宇宙のあらゆる構造、即ち星も銀河もたがいに引き合い「落下する」。こうした落下運動は宇宙の膨張運動と連動しているのです。

実際、地球はまずわれわれを毎秒30kmの速度で太陽1周の年次旅行に連れて行く。大要のほうは地球を毎秒230kmの速度で天の川周遊旅行につれていく。天の川は毎秒90kmの速度で隣のアンドロメダ銀河にむかって落下する。でもそれで終わりではありません。我々の銀河とアンドロメダを含む宇宙のはずれに位置するグループは乙女座星団に向かって毎秒600kmほどの速度で落下するし、乙女座星団はこんどは「グレートアトラクター」とよばれる巨大銀河団に向かって落下する。

アリストテレスの停止して浮動なる天はもう死んだのですよ。すべては移ろい、変わり、姿を変えているということなのです。

・・・亜原子の世界もこの法則をまぬかれません。我々の周りの物質は静かで動かないように見えるけれども、原子内の空間では電子の雲が渦をまいているのです。我々を取り巻いている空間は空っぽで活動してないとみんあ思っているけれど、信じられないような数の「仮想的」粒子であふれかえっています。そういった粒子はとてつもない』リズムで現れては消えています。・・・いまこうやって話しているときにも1立方センチの空間に10億の10億倍の1兆倍の仮想的粒子があるのです。疑いも無くいたるところ非恒常性だらけですね。」
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