福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

釈雲照師「十善業道経講義」から・・その59

2018-04-28 | 諸経
「竜王、譬ば一切の城邑と聚落との皆大地に依りて而も安住することを得。一切の薬草と卉木叢林も亦皆地によりて 而も生長することを得が如く、此の十善道も亦復是の如し。一切の人天これによりて而も立し、一切の声聞と独覚の菩提と諸々の菩薩の行と一切の仏法と威く共に此の十善の大地によりて而も成就することを得るなり。」
さてこの結論に来たって竜王のために比喩をもって説かれるのである。・・大地がなければ城郭も聚落も都会も村も維持することが出来ぬ。大地によりて一切の万物は維持されておる。また一切の薬草、卉木叢林も・・もちろん世界中ありとあらゆる動物も植物も一切悉く大地がなければ立つことが出来ぬであろう。この十善戒も亦是の如くで十善業道もこの天地間のあるものが悉く大地に依る如く、一切の仏法と世間にあるところの善という善、道徳という道徳、慈悲という慈悲、悉く十善に依らねば立つことが出来ぬ。(「一切の人天これによりて而も立し」の人天とは)人は人間、我々は二間とは欧羅巴、亜米利加、亜細亜位に住んでいる人の様に思うが、われわれの住んでいる世界は南閻浮提洲といいさらに全体ではこの四倍の世界がある。全体では東勝身洲・西牛貨洲・南閻浮提洲・北瞿慮洲というがある。これらの世界に住んでいるものが皆人間である。天とは神道でいうと高天原、一つあるように説いてある、耶蘇でいう天堂は一つあるようにいうてある。また支那でいう天道は一つあるように説いてある。(しかし)仏教でいうと天は一つや二つではない。欲界の四天王は持国天・広目天・増長天・多聞天の四通りある。・・・それから刀利天・夜魔天・兜率天・楽変化天・他化自在天。それが欲界の六欲天(つまり欲界に属する六つの天は四王天(持国天広目天増長天多聞天が属する)と刀利天・夜摩天・兜率天・楽変化天・他化自在天の六つ)次に色界には十八天という天がある。無色界には四天という天がある。合わせて二十八天がある。・・このうち須弥世界を千合わせたのが小千世界、小千世界を千合わせて中千世界、中千世界を千合わせたが大千世界。小千世界、中千世界、大千世界を三編数えていくから三千大千世界という。その三千大千世界の中に人間が今言う通りあれば二十八天高天原もそのとおりである。六欲天は六百億ある。それらのものは悉く十善によっている。大乗でいうと無量恒河沙数の三千大千世界がある。無量恒河沙数の三千大千世界になっても同じく十善をもって根本としておる。それから「一切の声聞と縁覚の菩提と諸々の菩薩の行と一切の仏法と威く共に此の十善の大地によりて而も成就することを得るなり」で声聞というは羅漢のことじゃ。いまもある羅漢さんは入涅槃せずに我等遺法の弟子を護るために矢張り形を隠して北瞿慮洲、須弥山などにござるが我らが誠をいたして供養すると来てござる。お互いの肉眼では見えぬが現れる。独覚というは縁覚のことでその独覚の菩提と諸々の菩薩の行と如来の悟りを開くところの原因すなわち六度万行とうて衆生済度のために修行なさる一切の善業という善業、ことごとく此の十善の大地に依って成就することが出来る。




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