金光明最勝王経四天王護国品
聖武天皇は東大寺を世界的戒壇にするためにおつくりになりましたが、同時に護国の為に全国に国分寺国分尼寺をお造りになりました。此のもとになるのが、金光明最勝王経です。「・・金光明経の流布するところには一切の外敵を摧破する・・」と書いています。
「四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)すなわち座よりたちて・・・仏に白して言さく、『世尊、此の金光明最勝王経の未来世において若し国土ありて城、邑、聚落、山、林、荒野、所至のところにしたがい流布する時、若し彼の国王、この経典において至心に聴受し、称嘆し、供養し、ならびに復た、この経を受持する四部の衆(比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷)に供養して深心に擁護し、衰悩を離れしめんに、この因縁をもって、我彼の王及び諸人衆を護り、皆安穏にして憂苦を遠離し、・・・他方の怨族は皆退散せしめん。若し人王あってこの経を聴かんときに、隣国の怨敵、かくの如きの念を興さん、まさに四兵を具してかの国土を壊るべしと。
『世尊この経王の威神力をもってのゆえに、このとき彼の怨敵,更に異怨あり、来たりてその境界を侵し擾し、もろもろの災変多く厄病流行せん。・・われら(四天王)そのときに眷属無量無辺の薬叉諸神と各自に形を隠し、ために援助をなし、彼の怨敵をして、自然に降伏して、なおあえて其の国界に来至せざらしめん。あにまた兵戈もて相戈つことを得んや』・・・そのとき佛,四天王につげてのたまはく『・・・四王まさにしるべし、此の贍部州の八万四千の城邑聚落、八万四千の諸の人王等、おのおの其の国においてもろもろの快楽をうけ・・相侵し奪わず、・・悪念を起こして他国を貧求せず、ことごとく小欲利樂の心を生じ、闘戦繋縛等の苦あることなし。・・・』
(四天王いわく)『世尊よ、若し人王ありて国土を護り、常に快楽をうけんと欲し、衆生をしてことごとく安穏をこうむらしめんと欲し、一切の外敵を摧破するを得て、自の国境において永く昌盛を得んと欲し、正教をして世間に流布せしめ、苦悩悪法皆除滅せしめんと欲せば、世尊よ、この諸の国王まさにこの妙経王を聴受すべし。またまさに経を読誦し受持するものを恭敬し供養すべし。・・・この金光明最勝王経は・・よく他方の賊をして退散せしめ自国界において常に安穏ならん。』(四天王護国品第十二)。」
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