福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

Q、イスラム教徒に仏像をどう説明するか?

2016-05-07 | Q&A
イスラム教徒は偶像崇拝を否定して破壊したりします。これに対して東大寺の森本管長様が平成21年2月8日のNHK心の時間でこうおしゃっていました。


「・・・西橋:  逆にイスラムの宗教者の方が東大寺に来られたりすることもおありになるわけでしょう。

 

森本:  そうですね。勿論その場合は案内をするんですが、案内をするという場合に、東大寺には大きな大仏さんがおられますから、うっかりすると、これは彼らからすると、「大きな偶像で絶対潰すべきものである」という考えも勿論持っているかも知れないんですね。
 

西橋:  イスラムは偶像崇拝を否定するわけですね。

 

森本:  そうです。だけども「あなた方のいう偶像とこの仏像とは違うんだ。意味が違うんだ」ということで、またそれを説明していくわけなんですよ。


西橋:  どんなふうに説明されるんですか。

 

森本:  たしかに私は、「仏教徒は何故形あるものを拝むのか」と質問されたことがあるんです。で、「形あるものをただ拝んでおるということではないんだ」ということで、「仏教では最初はお釈迦様を一つの姿にするということはしなかった。五百年ほど経って仏像というのは生まれた。それはかくかくしかじかだ」ということで、一つにはいうんです。比較してという場合、「イスラムの場合はコーランという言葉があって、それで伝える。しかしこれはアラビア語で書かれていますから、アラビア語をしゃべれる民族はいいけれども、それ以外の人たちにとっては言葉が非常に難しいわけなんですよ。翻訳もあまりよく認めていないわけですね。仏教の場合は言葉の問題もあって、むしろ形というものを示すことによって仏教の思想をわかって貰えるんじゃないか、ということで仏像が生まれたんじゃないか。で、仏像が生まれると同時に、今度はいろんな仏像のバリエーション―仏、菩薩像もそうですけれども―それぞれの働きというものを形を示すことによって人々にわかって頂くという。形そのものがあなた方のいうコーランにあたるのだ」というような説明の仕方をするんです。そうするとなんとなくわかってもらえるように思いますね。 ・・」

 
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