Q,定業(過去の業因によって結果を招くことが決定している業)は仏様でも転ずることができないと言われますが、では仏様の利益とは?
A,業には現世で報いがでるもの、来世で出るもの、再来世ででるもの、いつ出るかわからないもの、と種々の業がある。軽重はあるが業の報いは必ず出る、業の報いは懺悔して仏様の教えに従った生活を続けるしか消滅できないのである。
夢中問答集(無窓疎石)より・・・7
「神仏の効現
問、仏力・法力たやすく定業を転ずることあたわずばなにをか仏法の利益と申すべきや?
答、業に種々のしなあり。現生にやがて報ふをば、順現業と名ずく。次生に報ふをば順生業といふ。順生の後に報ふをば順後業なり。もしこの三種よりも軽き業なるは、いつにても便宜の時報ふべし。かやうなるをば不定業と名ずけたり。軽重によりて遅速ありといえども作りおける業の報たがはずしてただ止むことはあるべからず。仏力・法力にあらずはいかでかこれを消滅せむや。仏力・法力ありといへども、衆生若し求哀懺悔の心なければ消滅することあたわず。・・朝夕の振る舞ひはみな神意に背きながら,我が祈ることのかなはぬと恨み奉ることはひがめるにあらずや。
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