大石 順教尼は 1968年4月21日80歳で死去されています。元大阪堀江の芸妓・妻吉といいました。養父が乱心して「堀江六人斬り事件」を起こし、両腕を切断されますが旅芸人として巡業。カナリアが嘴で雛に餌をやるのを見て、口で書画を書く技法を習得。1933年(昭和8年)に高野山金剛峯寺にて稀代の名僧金山穆韶猊下のもと得度、名を「順教」と改める。京都山科勧修寺に日本で初めての身障者厚生施設「自在会」を設立、多くの障害者を指導されています。73歳で「宗教法人仏光院」を建立。口筆般若心経で日展に入選。高野山奥の院には順教尼のお墓と腕塚(徳富蘇峰筆、腕を失った人の腕を祀る)があります。「落されし 腕は高野の 霧の中」という尼の歌もあります。
「たへ忍ぶ ことなかりせば 今日までの 命なからめ 双手なき身は」
「たなごころ あはせむすべもなき身には ただ南無佛と となへのみこそ」
「つみぶかく あはす手もなき身をもちて 大師のみことなるぞ 嬉しき」(順教尼にしてこのお言葉です。われわれ健常者と言われている人々はこの何億倍も罪業が深いと思われます)
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