福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「現世利益和讃(親鸞聖人)」

2020-12-20 | 法話

正木晃氏の「東日本大震災と仏教」という動画がありました。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwj1qPT6r9vtAhWCfXAKHfR6BN0QwqsBMAB6BAgBEAM&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DbgNEU7Jj9rI&usg=AOvVaw2zG8lsa0I1ZYs1GSQpWRXg

 

 

ここでは氏は日本仏教は本来、現世利益・諸霊の存在・死後の世界の大切さ等を皮膚感覚として信じて説いてきたのでこれだけ日本人の支持を得てきた、と言う趣旨の話をされていました。霊魂の存在は日本仏教の常識でしたが、日本が近代化するなかで、霊魂や死後の世界は思想化や哲学化するには差し障りがあったのか、無我説が主流となるとともに、ほとんどの宗派はいつの間にか語るのをやめてしまいました。宗教が宗教たるためには、死後世界と霊魂の存在を認めないと成り立たない、と説いておられます。大賛成です。そのなかで浄土真宗ももともと親鸞聖人の現世利益和讃などにみられるように現世利益・鎮護国家・霊魂実在論であったと言っています。参考までに「現世利益和讃」も載せておきます。

 

「現世利益和讃(親鸞聖人)」

「・阿弥陀如来来化して 息災延命のためにとて 金光明の寿量品(https://blog.goo.ne.jp/fukujukai/e/caaea36a70ea9184be3ce1c3077209f0) ときおきたまえるみのりなり

・山家の伝教大師は 国土人民をあわれみて 七難消滅の誦文には 南無阿弥陀仏をとなうべし

・一切の功徳にすぐれたる 南無阿弥陀仏をとなうれば 三世の重障みなながら かならず転じて軽微なり

・南無阿弥陀仏をとなうれば この世の利益きわもなし 流転輪回のつみきえて 定業中夭のぞこりぬ<

・南無阿弥陀仏をとなうれば 梵王帝釈帰敬す 諸天善神ことごとく よるひるつねにまもるなり

・南無阿弥陀仏をとなうれば 四天大王もろともによるひるつねにまもりつつ よろずの悪鬼をちかづけず

・南無阿弥陀仏をとなうれば 堅牢地祇は尊敬す かげとかたちとのごとくにて よるひるつねにまもるなり

・南無阿弥陀仏をとなうれば 難陀跋難大龍等 無量の龍神尊敬しよるひるつねにまもるなり

・南無阿弥陀仏をとなうれば 炎魔法王尊敬す五道の冥官みなともによるひるつねにまもるなり

・南無阿弥陀仏をとなうれば 他化天の大魔王 釈迦牟尼仏のみまえにて まもらんとこそちかいしか

・天神地祇はことごとく 善鬼神となづけたりこれらの善神みなともに 念仏のひとをまもるなり

・願力不思議の信心は 大菩提心なりければ天地にみてる悪鬼神 みなことごとくおそるなり

・南無阿弥陀仏をとなうれば 観音勢至はもろともに 恒沙塵数の菩薩とかげのごとくに身にそえり

・無碍光仏のひかりには 無数の阿弥陀ましまして 化仏おのおのことごとく 真実信心をまもるなり

・南無阿弥陀仏をとなうれば 十方無量の諸仏は 百重千重囲繞して よろこびまもりたまうなり」

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