金光明最勝王經・全訳・・23/32
金光明最勝王經・諸天藥叉護持品
第二十二(諸天・夜叉等が金光明経の護持者を擁護し国土安寧ももたらすと説く)
爾時、世尊は大吉祥天女に告げて曰く「。若し淨信の善男子善女人ありて過去未來現在の諸佛に於いて不可思議廣大微妙供養之具を以て而も奉獻せんと欲し、及び三世諸佛甚深行處を解了せんと欲せば、是人は應當に決定して至心に是の經王所在之處に隨ひて、城邑聚落或山澤中、廣く衆生の為に敷演流布すべし。其の聽法者は應に亂想を除き攝耳用心すべし。」時に世尊、即ち彼の天及諸大衆の為に伽他を説ひて曰「
若し諸佛に 不思議供養を施し
復た諸如來の甚深境界を了ぜんと欲する者、
若し此の最勝金光明を演説するを見ば
應に親しく彼方に詣で、其所住處に至るべし
此の經は思議し難く 能く諸功徳を生じ
無邊の大苦海諸有情を解脱す
我此經王を觀ずるに 初中後皆善なり
甚深不可測 譬喩するに能く比する無し
假使へ恒河沙大地塵海水・虚空諸山石も
能く少分を喩ふるなし
深法界に入んと欲せば 應に先ず是經
法性之制底を聽け 甚深にして善く安住し
斯の制底内において 我が牟尼尊、
悦意の妙音聲もて斯經典を演説するを見ん。
此に由りて倶胝劫の數量は思議し難く
人天中に生在して 常に勝妙樂を受けん。
若し是の經を聴く者は 應に如是の心を作せ
「我、不思議 無邊功徳蘊を得ん」と。
假使ひ大火聚が百踰繕那に満つるとも
此の經王を聽き 直過して無辭苦ならん
既に彼の住處に至り 如是の經を聞くことを得ば
能く罪業を滅し 及び諸惡夢・惡星・諸變怪・ 蠱道・邪魅等を除かん。
是の經を聞くを得る時 諸惡皆捨離す。
應に高座を嚴勝して淨妙なること蓮花の如くし、
法師はその上に處し 猶し大龍の坐するが如し。
斯において安坐已りて、此の甚深經を説き
書寫及誦持 并に爲に其義を解せよ。
法師此座を捨てて餘方所に往詣せば
此高座中において 神通は一相に非ず
或は法師像を見るに 猶ほ高座上にあるが如し
或時は世尊 及び諸菩薩を見る
或は普賢像と為り 或は妙吉祥の如く
或は慈氏尊身を高座に處するを見、
或は希奇相 及び以諸天像
暫く容儀を覩みるを得て忽然として還た現れず
諸吉祥を成就し所作皆隨意にして
功徳悉く圓滿す。 世尊如是に説く
最勝の名稱あり 能く諸煩惱を滅し
他國賊皆除き 戰時に常に勝を得
惡夢悉く皆無にして 及び諸毒害を消し
作すところの三業の罪を 經力は能く除滅す
此贍部洲において 名稱咸く充滿し
所有る諸怨結は 悉く皆な相捨離す
設ひ怨敵至る有とも 名を聞きて便ち退散す
兵戈動ずるを假らずして 兩陣歡喜を生ず
梵王・帝釋主・護世四天王及び金剛藥叉・正了知大將・無熱池龍王 及び娑掲羅・緊那羅樂神 ・蘇羅金翅王(そらこんじおう)・大辯才天女 并びに大吉祥天
斯等の上首天は 各の諸天衆を領し
常に諸佛・法寶不思議を供養し
恒に歡喜心を生じ 經において恭敬を起す
斯等の諸天衆は 皆な悉く共に思惟して
遍く修福者を觀じ 共に如是の説を作す
應に此の有情を觀ずべし 咸く是れ大福徳なり。
善根精進力は 當に來りて我天に生ぜん
爲に甚深經を聽け 敬心にして來り、至心に
法制底を供養す 正法を尊重する故なり。
衆生を憐愍して大饒益を作す
此の深經典において 能く法寶器と為る
此の法門に入る者は 能く法性に入る
此の金光明に於いて 至心に應に聽受せよ
是の人は曾って無量百千佛を供養す
彼の諸善根に由って 此經典を聞くことを得たり
如是の諸天王・天女・大辯才
并びに彼の吉祥天及び四王衆
無數藥叉衆は 勇猛にして神通あり
各の其四方において 常に來りて相擁護す
日月天帝釋 風水火諸神
吠率怒大肩(べいそつど・ヴィシュヌ天)閻羅・辯才等、 一切諸護世は 勇猛にして威神を具し
持經者を擁護し 晝夜常に不離なり
大力藥叉王・那羅延自在・
正了知を首となし 二十八藥叉
餘の藥叉百千 神通大力あり
恒に恐怖の處において 常に來りて此人を護る
金剛藥叉王 并びに五百眷屬
諸大菩薩衆 常に來りて此人を護る
寶王藥叉王 及び滿賢王
曠野・金毘羅 ・賓度羅(びんずる)・黄色
此等藥叉王 各五百眷屬
此經を聽く者を見て 皆な來りて共に擁護す
彩軍揵闥婆・葦王・常戰勝・珠頸及び青頸 并びに勃里沙王・大最勝・大黒 ・蘇跋拏鷄舍(そばぬけいしゃ・)
半之迦・羊足 及び大婆伽
小渠并びに護法 及び獼猴王
針毛及び日友 ・寶髮、皆來護す
大渠・諾拘羅 ・栴檀・欲中勝・
舍羅及び雪山 及び以娑多山
皆な大神通あり 雄猛にして大力を具す
此經を持する者を見て 皆來りて相擁護す
阿那婆答多(あばしゃなた) 及び娑掲羅(しゃから)
目眞・エイ羅葉・ 難陀・小難陀
百千龍中に於いて 神通威徳を具し
共に持經人を護り 晝夜常に不離
婆稚(ばち)・羅睺羅 ・毘摩質多羅(びましったら)
母旨苫跋羅(もしせんばら) 大肩及び歡喜
及び餘の蘇羅王 并びに無數の天衆
大力勇健あり 皆來りて是人を護る
訶利底母神 五百藥叉衆は
彼人の睡覺において 常に來りて相擁護す
旃荼・旃荼利藥叉・旃稚女・
昆帝・拘吒齒(くたし) 吸衆生精氣、
如是の諸神衆 大力神通あり
常に持經者を護り 晝夜恒に不離なり
上首辯才天 無量諸天女
吉祥天を首となし 并びに餘の諸眷屬
此の大地神女 果實園林神
樹神江河神 制底諸神等
如是の諸天神は 心に大歡喜を生じ
彼皆來りて此經を讀誦する人を擁護す
持經を持する有る者を見ては 壽命・色力
威光及び福徳を増し 妙相を以って莊嚴す
星宿は災變を現じ 困厄は此人に當り
夢に惡徴祥を見るも 皆悉く除滅せしむ
此大地神女 堅固にして威勢あり
此經力によるが故に 法味常に充足
地肥若し流下し 百踰繕那を過ぎなば
地神味をして上らしめ 大地を滋潤す
此地厚さ六十八億踰繕那
乃至金剛際 地味をして皆な上らしむ
此經王を聽くに由りて大功徳蘊を獲
能く諸天衆をして 悉く其利益を蒙らしめ
復た諸天衆をして 威力光明ありて
歡喜して常に安樂ならしめ 衰相を捨離す
此の南洲内において 林果苗稼神
此經の威力に由りて 心常に歡喜を得
苗實皆成就し 處處に妙花あり
果實並に滋繁し 大地に充滿し
所有る諸果樹 及び衆園林
悉皆な妙花を生じ 香氣常に芬馥
衆草諸樹木 咸く微妙花を出し
及び甘美果を生じ 隨處に皆充遍す
此贍部洲において 無量の諸龍女
心に大歡喜を生じ 皆共に池中に入り
鉢頭摩 及び分陀利の
青白二蓮花を種植し 池中に皆な遍滿す
此經の威力に由りて 虚空淨無翳
雲霧皆除遣 暝闇悉光明
日出て千光を放ち 無垢焔清淨なり。
此經王力に由りて 流暉(光明)四天を遶る
此經の威徳力は天子を資助し
皆贍部金を用ひて 宮殿を作らしむ
日天子初出し 此洲をみて歡喜す
常に大光明を以て 周遍し皆照曜す
斯大地内において 所有る蓮花池
日光照及時 盡く開發せざるなし
此贍部洲において 田疇諸果藥
悉皆な善熟ならしめ 大地に充滿す
此經の威力に由りて 日月照處のところ
星辰失度せず 風雨皆順時
此贍部洲に遍く 國土咸な豐樂なり
此經のある處に随って 殊勝は餘方に倍す
若し此金光明經典流布處
能く講誦者あらば 悉く如上の福を得る」
爾時、大吉祥天女及諸天等佛の所説を聞きて、皆大
歡喜し、此經王及び受持者を一心擁護して憂惱なく常に安樂を得しむ。
金光明最勝王經・諸天藥叉護持品
第二十二(諸天・夜叉等が金光明経の護持者を擁護し国土安寧ももたらすと説く)
爾時、世尊は大吉祥天女に告げて曰く「。若し淨信の善男子善女人ありて過去未來現在の諸佛に於いて不可思議廣大微妙供養之具を以て而も奉獻せんと欲し、及び三世諸佛甚深行處を解了せんと欲せば、是人は應當に決定して至心に是の經王所在之處に隨ひて、城邑聚落或山澤中、廣く衆生の為に敷演流布すべし。其の聽法者は應に亂想を除き攝耳用心すべし。」時に世尊、即ち彼の天及諸大衆の為に伽他を説ひて曰「
若し諸佛に 不思議供養を施し
復た諸如來の甚深境界を了ぜんと欲する者、
若し此の最勝金光明を演説するを見ば
應に親しく彼方に詣で、其所住處に至るべし
此の經は思議し難く 能く諸功徳を生じ
無邊の大苦海諸有情を解脱す
我此經王を觀ずるに 初中後皆善なり
甚深不可測 譬喩するに能く比する無し
假使へ恒河沙大地塵海水・虚空諸山石も
能く少分を喩ふるなし
深法界に入んと欲せば 應に先ず是經
法性之制底を聽け 甚深にして善く安住し
斯の制底内において 我が牟尼尊、
悦意の妙音聲もて斯經典を演説するを見ん。
此に由りて倶胝劫の數量は思議し難く
人天中に生在して 常に勝妙樂を受けん。
若し是の經を聴く者は 應に如是の心を作せ
「我、不思議 無邊功徳蘊を得ん」と。
假使ひ大火聚が百踰繕那に満つるとも
此の經王を聽き 直過して無辭苦ならん
既に彼の住處に至り 如是の經を聞くことを得ば
能く罪業を滅し 及び諸惡夢・惡星・諸變怪・ 蠱道・邪魅等を除かん。
是の經を聞くを得る時 諸惡皆捨離す。
應に高座を嚴勝して淨妙なること蓮花の如くし、
法師はその上に處し 猶し大龍の坐するが如し。
斯において安坐已りて、此の甚深經を説き
書寫及誦持 并に爲に其義を解せよ。
法師此座を捨てて餘方所に往詣せば
此高座中において 神通は一相に非ず
或は法師像を見るに 猶ほ高座上にあるが如し
或時は世尊 及び諸菩薩を見る
或は普賢像と為り 或は妙吉祥の如く
或は慈氏尊身を高座に處するを見、
或は希奇相 及び以諸天像
暫く容儀を覩みるを得て忽然として還た現れず
諸吉祥を成就し所作皆隨意にして
功徳悉く圓滿す。 世尊如是に説く
最勝の名稱あり 能く諸煩惱を滅し
他國賊皆除き 戰時に常に勝を得
惡夢悉く皆無にして 及び諸毒害を消し
作すところの三業の罪を 經力は能く除滅す
此贍部洲において 名稱咸く充滿し
所有る諸怨結は 悉く皆な相捨離す
設ひ怨敵至る有とも 名を聞きて便ち退散す
兵戈動ずるを假らずして 兩陣歡喜を生ず
梵王・帝釋主・護世四天王及び金剛藥叉・正了知大將・無熱池龍王 及び娑掲羅・緊那羅樂神 ・蘇羅金翅王(そらこんじおう)・大辯才天女 并びに大吉祥天
斯等の上首天は 各の諸天衆を領し
常に諸佛・法寶不思議を供養し
恒に歡喜心を生じ 經において恭敬を起す
斯等の諸天衆は 皆な悉く共に思惟して
遍く修福者を觀じ 共に如是の説を作す
應に此の有情を觀ずべし 咸く是れ大福徳なり。
善根精進力は 當に來りて我天に生ぜん
爲に甚深經を聽け 敬心にして來り、至心に
法制底を供養す 正法を尊重する故なり。
衆生を憐愍して大饒益を作す
此の深經典において 能く法寶器と為る
此の法門に入る者は 能く法性に入る
此の金光明に於いて 至心に應に聽受せよ
是の人は曾って無量百千佛を供養す
彼の諸善根に由って 此經典を聞くことを得たり
如是の諸天王・天女・大辯才
并びに彼の吉祥天及び四王衆
無數藥叉衆は 勇猛にして神通あり
各の其四方において 常に來りて相擁護す
日月天帝釋 風水火諸神
吠率怒大肩(べいそつど・ヴィシュヌ天)閻羅・辯才等、 一切諸護世は 勇猛にして威神を具し
持經者を擁護し 晝夜常に不離なり
大力藥叉王・那羅延自在・
正了知を首となし 二十八藥叉
餘の藥叉百千 神通大力あり
恒に恐怖の處において 常に來りて此人を護る
金剛藥叉王 并びに五百眷屬
諸大菩薩衆 常に來りて此人を護る
寶王藥叉王 及び滿賢王
曠野・金毘羅 ・賓度羅(びんずる)・黄色
此等藥叉王 各五百眷屬
此經を聽く者を見て 皆な來りて共に擁護す
彩軍揵闥婆・葦王・常戰勝・珠頸及び青頸 并びに勃里沙王・大最勝・大黒 ・蘇跋拏鷄舍(そばぬけいしゃ・)
半之迦・羊足 及び大婆伽
小渠并びに護法 及び獼猴王
針毛及び日友 ・寶髮、皆來護す
大渠・諾拘羅 ・栴檀・欲中勝・
舍羅及び雪山 及び以娑多山
皆な大神通あり 雄猛にして大力を具す
此經を持する者を見て 皆來りて相擁護す
阿那婆答多(あばしゃなた) 及び娑掲羅(しゃから)
目眞・エイ羅葉・ 難陀・小難陀
百千龍中に於いて 神通威徳を具し
共に持經人を護り 晝夜常に不離
婆稚(ばち)・羅睺羅 ・毘摩質多羅(びましったら)
母旨苫跋羅(もしせんばら) 大肩及び歡喜
及び餘の蘇羅王 并びに無數の天衆
大力勇健あり 皆來りて是人を護る
訶利底母神 五百藥叉衆は
彼人の睡覺において 常に來りて相擁護す
旃荼・旃荼利藥叉・旃稚女・
昆帝・拘吒齒(くたし) 吸衆生精氣、
如是の諸神衆 大力神通あり
常に持經者を護り 晝夜恒に不離なり
上首辯才天 無量諸天女
吉祥天を首となし 并びに餘の諸眷屬
此の大地神女 果實園林神
樹神江河神 制底諸神等
如是の諸天神は 心に大歡喜を生じ
彼皆來りて此經を讀誦する人を擁護す
持經を持する有る者を見ては 壽命・色力
威光及び福徳を増し 妙相を以って莊嚴す
星宿は災變を現じ 困厄は此人に當り
夢に惡徴祥を見るも 皆悉く除滅せしむ
此大地神女 堅固にして威勢あり
此經力によるが故に 法味常に充足
地肥若し流下し 百踰繕那を過ぎなば
地神味をして上らしめ 大地を滋潤す
此地厚さ六十八億踰繕那
乃至金剛際 地味をして皆な上らしむ
此經王を聽くに由りて大功徳蘊を獲
能く諸天衆をして 悉く其利益を蒙らしめ
復た諸天衆をして 威力光明ありて
歡喜して常に安樂ならしめ 衰相を捨離す
此の南洲内において 林果苗稼神
此經の威力に由りて 心常に歡喜を得
苗實皆成就し 處處に妙花あり
果實並に滋繁し 大地に充滿し
所有る諸果樹 及び衆園林
悉皆な妙花を生じ 香氣常に芬馥
衆草諸樹木 咸く微妙花を出し
及び甘美果を生じ 隨處に皆充遍す
此贍部洲において 無量の諸龍女
心に大歡喜を生じ 皆共に池中に入り
鉢頭摩 及び分陀利の
青白二蓮花を種植し 池中に皆な遍滿す
此經の威力に由りて 虚空淨無翳
雲霧皆除遣 暝闇悉光明
日出て千光を放ち 無垢焔清淨なり。
此經王力に由りて 流暉(光明)四天を遶る
此經の威徳力は天子を資助し
皆贍部金を用ひて 宮殿を作らしむ
日天子初出し 此洲をみて歡喜す
常に大光明を以て 周遍し皆照曜す
斯大地内において 所有る蓮花池
日光照及時 盡く開發せざるなし
此贍部洲において 田疇諸果藥
悉皆な善熟ならしめ 大地に充滿す
此經の威力に由りて 日月照處のところ
星辰失度せず 風雨皆順時
此贍部洲に遍く 國土咸な豐樂なり
此經のある處に随って 殊勝は餘方に倍す
若し此金光明經典流布處
能く講誦者あらば 悉く如上の福を得る」
爾時、大吉祥天女及諸天等佛の所説を聞きて、皆大
歡喜し、此經王及び受持者を一心擁護して憂惱なく常に安樂を得しむ。