福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は貞崇法師念仏の時稲荷神の託宣があった日

2024-06-29 | 法話

古今著聞集 神祇第一「貞崇法師(注1)勅に依りて念仏の時稲荷神託宣の事」

(延長八年(930年)醍醐天皇は危篤となり、朱雀天皇が九月二十二日に践祚。醍醐天皇は九月二十九日に崩御されています。貞崇法師の「勅に依りて念仏」とはこの時のことではないかと思います。)

「延長八年930六月廿九日夜、貞崇法師、勅を承りて、清涼殿に候ひて念仏し侍りけるに、夜やうやう深て、東の庇に、大なる人の歩む音聞へけり。貞崇、簾をかき上げて見ければ、歩み歸る音して人見えず。その後、また小人の歩み来る聲す。やうやう近く成て、女聲にて『何によりて候ふぞ』と問ければ、貞崇、勅を承はりて候よしをこたふ。小人の言ひけるは『先度、汝、大般若の御讀經つかうまつりしに験ありき。始め歩み来たりつる物は邪気なり。彼経によりて、足焼損じて調伏せられぬ。後のたびの、金剛般若の御讀經奉仕の時は驗なかりき。此由を奏聞して、大般若の御讀經をつとめよ。我はこれ稲荷神なり』とて、うせ給ひぬ。貞崇、この由を奏聞し侍りけり。」

 

注1)貞崇法師・・本朝高僧傳「姓三善氏。貞観八年を以て山城に生る。初め密教を学び後に三論を質す。延長八年醍醐座主に補す。是の年帝病、崇を詔して加護。天慶七年七月二十一日順寂。壽七十九」

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