「・華厳宗では三生成仏をいいながら五種の疾得成仏や三種の成仏をといて一生成仏説に帰している。
・天台宗では龍女成仏説を証拠として即身成仏を唱える。その理論的根拠は本覚思想である。そして修行と仏性と煩悩との三者を本来不二と観じ、修行に努力することをもって即身成仏の要道とする。
・禅宗であるが道元は他の諸大乗と同様に悉有仏性に成仏論の根拠をもとめた。座禅を菩提への手段とせず修行と菩提とを一体とした。修行のままが大悟の境地であり座禅がそのまま本覚本証の全体である。かくて道元の禅は全身心が正法そのものとなって生き抜くものである。
・日蓮宗は天台の本覚思想を継承し、さらにすすんで本覚を法華経の本門佛に帰せしめ五字の題目を信受することによって即身成仏するとといた。身口意一致の唱題修行をはげみ修行の場がことごとく本門の道場であると観ずるもの。かくして人間の日常生活の場が本佛の浄土であり信と修行のなかに自己の本佛を生じるとする。
・浄土宗でも親鸞の生死即涅槃とか不断煩悩即菩提とかあるいは往生即成仏というような一連の言葉にはその根底に本覚思想が流れている。」
(那須政隆「那須政隆著作集1」)
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