華厳経巻二十六、十地品第二十二ノ四「(菩薩は)空無想の願を成じて慈悲の心を修し、仏の平等法に順じて諸仏を供養し奉る。智をもって空を観ずといえども而も福を修して厭くことなく、よく三界を厳るといえども而も心に遠離をねがふ。心常に寂滅なりと雖も、而も悪を滅する法を起こし、空不二の相を行ずるも而も慈悲心を行ず。一切の土は空なること虚空のごとしと観ずるといえども、而も能く荘厳して諸仏の土を清浄にす。諸仏の身は法相の無相なるに同じと知ると雖も、而も三十二、八十の諸々の相好を種う。音声の法は言説すべからざる相なりと知るといえども而も佛の音声を歎じて一切をして歓喜せしむ。諸仏は一念のうちに成道したまふと知るといえども而も時劫と刹とを示して諸の衆生を引導す。」
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