福聚講

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地蔵菩薩三国霊験記 6/14巻の1/22

2024-08-13 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 6/14巻の1/22

 

地蔵菩薩三国霊験記巻之六目録

一地蔵菩薩過去女人たりし時、其の母生處を尋ね苦を救ふ霊験

二劉氏蘇生の事

三大山大智明神の地蔵垂迹の事

四立山罪人傳語の事

五童子戯れに地蔵を造る霊験

六無双の法門を示し玉ふ事

七小児井戸に墜つるを夢中に救給ふ事

八称名員數授け給ふ事

九富士大宮司霊験を得る事

十貧苦を救ひ給ふ事

十一合戦に矢を拾ひ給ふ事

十二殺害を免る霊験

十三水銀掘を助給ふ霊験

十四論議坊冥途物語の事

十五地蔵看病し給事

十六女人信力に依りて蘇生の事

十七火難除滅の事

十八火印地蔵の事

十九古佛造営功力の事

二十藤原廣足の事

二十一信力に依りて富貴を得る事

二十二齋(とき)布施の論の事

 

地蔵菩薩三国霊験記巻之六

一、地蔵菩薩過去女人たりし時、其の母生處を尋ね苦を救ふ霊験

過去不思議阿僧祇劫に佛あり。覚花定自在王如来と号す。彼の佛の像法の中に婆羅門女なり。その名を聖女と云。宿福深厚にして衆の敬ところなり。其の母は邪見甚だしくして常に三寶を信ぜず。女これを悲しみ廣く方便を設けて其の母を勧誘して正見を生ぜしめんとすれども、此の母全く信を生ぜずして久しからずして命終わりぬ。魂神無間地獄に堕在す。時に聖女母にをくるることを悲しみ家宅をさりて先佛の塔寺にをいて大に供養を儲て覚花定自在王如来の像一寺のなかに在りて端厳ことごとく備ふを見て尊容を礼拝してますます敬心を生ず。私(ひそか)に自ら念言すらく佛を大覚と名つ゛けたてまつり一切智を具し玉へり。我が母の生る処を示し給へと泣(なみだ)を垂るる事ややひさしく、如来を瞻戀したてまつる。その時忽ち二

空中に声を以て告げ玉はく、汝哀(かなしむ)ことなかれ、我今汝が母の去る処を示さんと。其の時聖女合掌して空に向ひ天に白していはく、是何の神徳か我が憂を寛ぎ玉ふよ。時に空中に声ありて再び女に報じて曰く、我は汝が礼するところの過去の覚花定自在王如来なり。汝の母を憶ふこと常に倍す。故に来て告示なり。汝供養し畢って早く舎に皈って端座して我が名号を思惟せば當に母の所生を知るべし云々。時に聖女我が家にかへりて彼の佛の名号を念じて端座する事一日一夜ありて忽ちに自身を見るに一の海邊に到れり。其の水沸沸して諸の悪獣其の身ことごとく鐵にして海上を飛走り爰に諸の男女千万人海中に出没するを彼の悪獣ども争ひとりて食ふ。又夜叉の

其の形異相なるをほし(多し)、其の中に一の鬼の名を無毒と名付くるあり。聖女彼に問て曰く、此れは是何なる所ぞと。無毒答て云く、是は大鐵圍山の西面一重の海なりと云ふ。

聖女云く、我聞く此の山の内に地獄ありと。是事實なるや不や。無毒

答ふ、實に有り。聖女又問はく、此の水何ぞ湧きて諸の罪人多きや。鬼の云く、是は此れ閻浮提の悪を造る衆生新死の者の四十九日の後相継ぐ功徳を作し苦難を救抜くするとこなく生まるとき善因なきもの本業の所感によりて地獄に行くに自然に先ず此の海を渡る。又東に去ること万由旬にして一つの海有り。其の苦、此に倍す。其の海東に又一の海有り。其の苦復た彼に倍す。三業惡果の感ずる所なる故に

三途業海と号する處是也。聖女又問ふ、地獄何にか在る。答曰、三海の内是大地

獄充満せり。其數百千にして各各差別なり。聖女又問ふ、我母は死したり。未だ其の生所を知らず。いずれの處に在すぞ。鬼の云く、菩薩の母、在生の時何なる行業をか修する。女云く、我母邪見にして三寶を譏り暫く信にしたがふといへども敬はず。鬼の云く、女の姓氏何ん。女云く、我母倶婆羅門種なり。父をば尸羅善現と号す。母をば悦帝利と号すと云ふ。鬼これを聞て云、聖者却って憂ること無かれ、悦帝利羅女は生天して三日也。公孝順の善心をもって母の為に諸の香華諸の供具を儲けて大覚の尊者に供し奉る故也。唯菩薩の母一人のみならず此の日得脱の罪人悉く楽をうく。俱に皆天に生れ訖んぬ等云々。爰に聖女夢の覚めたるごとく思ひて便(すなは)ち覚花定自在王如来の塔前において弘誓の願を立てて云、我盡未来劫に罪業の衆生あらば廣く方便を設け解脱せしむべしと云々。其の時の鬼王無毒とは今の財首菩薩是也、婆羅門女とは今の地蔵菩薩是なり。此の本願力によりて神通自在にして済度無邊なり。されば釈尊も慈悲神通の不可思議なる事を知ら召して忉利天にして遺付を授け濁世無佛の導師とせり。頼むべし仰ぐべし。誠に有難き利生也。

地藏菩薩本願經卷上・忉利天宮神通品第一「・・過去不可思議阿僧祇劫。時世有佛號曰覺華定自在王如來。彼佛壽命四百千萬億阿僧祇劫。像法之中有一婆羅門女。宿福深厚衆所欽敬。行住坐臥諸天衞護。其母信邪常輕三寶。是時聖女廣説方便。勸誘其母令生正見。而此女母未全生信。不久命終。魂神墮在無間地獄。時婆羅門女知母在世不信因果。計當隨業必生惡趣。遂賣家宅廣求香華及諸供具。於先佛塔寺大興供養。見覺華定自在王如來其形像在一寺中。塑畫威容端嚴畢備。時婆羅門女瞻禮尊容。倍生敬仰

私自念言。佛名大覺具一切智。若在世時我母死後。儻來問佛必知處所。時婆羅門女垂泣良久。瞻戀如來忽聞空中聲曰。泣者聖女勿至悲哀。我今示汝母之去處。婆羅門女合掌向空而白空曰。是何神徳寛我憂慮。我自失母已來晝夜憶戀。無處可問知母生界。時空中有聲再報女曰。我是汝所瞻禮者。過去覺華定自在王如來。見汝憶母倍於常情衆生之分。故來告示。婆羅門女聞此聲已。擧身自撲支節皆損。左右扶侍良久方蘇。而白空曰。願佛慈愍速説我母生界。我今身心將死不久。時覺華定自在王如來告聖女曰。汝供養畢但早返舍。端坐思惟吾之名號。即當知母所生去處。時婆羅門女尋禮佛已即歸其舍。以憶母故端坐念覺華定自在王如來。經一日一夜。忽見自身。到一海邊其水涌沸。多諸惡獸盡復鐵身。飛走海上東西馳逐。見諸男子女人百千萬數出沒海中。被諸惡獸爭取食噉。又見夜叉其形各異。或多手多眼多足多頭。口牙外出利刃如劍。驅諸辠人使近惡獸。復自搏攫頭足相就。其形萬類不敢久視。時婆羅門女以念佛力故自然無懼。有一鬼王名曰無毒。稽首來迎白聖女曰。善哉菩薩何縁來此。時婆羅門女問鬼王曰。此是何處。無毒答曰。此是大鐵圍山西面第一重海。聖女問曰。我聞鐵圍之内。地獄在中是事實不。無毒答曰實有地獄。聖女問曰。我今云何得到獄所。無毒答曰。若非威神即須業力。非此二事終不能到。聖女又問。此水何縁而乃涌沸。多諸罪人及以惡獸。無毒答曰。此是閻浮提造惡衆生新死之者。經四十九日後。無人繼嗣爲作功徳救拔苦難。生時又無善因當據本業所感地獄。自然先渡此海。海東十萬由旬又有一海其苦倍此。彼海之東又有一海其苦復倍。三業惡因之所招感。共號業海其處是也。聖女又問鬼王無毒曰地獄何在。無毒答曰。三海之内是大地獄。其數百千各各差別。所謂大者具有十八次有五百苦毒無量。次有千百亦無量苦。聖女又問大鬼王曰。我母死來未久。不知魂神當至何趣。鬼王問聖女曰。菩薩之母在生習何行業。聖女答曰我母邪見譏毀三寶。設或暫信旋又不敬死雖日淺未知生處。無毒問曰。菩薩之母姓氏何等。聖女答曰。我父我母倶婆羅門種。父號尸羅善現母號悦帝利。無毒合掌啓菩薩曰。願聖者却返本處。無至憂憶悲戀。悦帝利罪女生天以來經今三日。云承孝順之子爲母設供修福。布施覺華定自在王如來塔寺。非唯菩薩之母得脱地獄。應是無間罪人此日悉得受樂倶同生訖。鬼王言畢合掌而退。婆羅

門女尋如夢歸悟此事已。便於覺華定自在王如來塔像之前立弘誓願。願我盡未來劫。應有罪苦衆生廣設方便使令解脱。佛告文殊師利。時鬼王無毒者當今財首菩薩是。婆羅門女者即地藏菩薩是」)。

 

 

 

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