福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)46

2019-10-16 | 諸経

善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)46
四十五番目、閻浮提の摩竭提国・迦毘羅城 善知綜芸童子

善知綜芸童子からは四十二字の般若波羅蜜の法門を得ます。四十二字の一々がそれぞれの字母に応じた般若波羅蜜に入るものと説きます。(「摩訶般若波羅蜜經」「大智度論」 でも、四十二の字母を説く。今の中天相承の悉曇では五十一字母となっている。

「「善男子、我れ菩薩解脱を得て名けて 【善轉衆
藝】という。我恒に此の解脱に入る根本の字を唱持せり。
阿字(梵字・以下同じ)を唱る時般若波羅蜜門に入るを菩薩威徳各別境界と名け、
羅字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを平等一味最上無邊と名け、
波字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを法界無異相と名け、
者字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、普輪斷差別と名け、
多字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、得無依無上と名け、
邏字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、離依止無垢と名け、
荼を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、不退轉の行と名け、
婆字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、金剛場と名け、荼字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、名て普輪といい、
沙字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、名て海藏となし、
他字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、普生安住と名け、
那字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、圓滿光と名け、那字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、差別積聚と名け、
史吒字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、普光明息諸煩惱と名け、
迦字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、差別一味と名け、
娑字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、霈然法雨と名け、
摩字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、大流湍激衆峯齊峙(だいるたんげきしゅほうさいじ)と名け、
伽字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、普上安立と名け、
娑他字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、眞如藏
遍平等と名け、
社字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、入世間海清淨と名け、
室者字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、一切諸佛正念莊嚴と名け、
拕字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、觀察圓滿法聚と名け、
奢字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、一切諸佛教授輪光と名け、
佉字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、淨修因地現前智藏と名け、
叉字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、息諸業海藏蘊と名け、
娑多字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、蠲諸惑障開淨光明(けんしょわくしょうかいじょうこうみょう)と名け、
壤字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、作世間了悟因と名け、
頗字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、智慧輪斷生死と名け、
婆字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、一切宮殿具
足莊嚴と名け、
車字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、修行戒藏各別圓滿と名け、
娑摩字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、隨十方現見諸佛と名け、
訶娑字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、觀察一切無縁衆生方便攝受令生海藏と名け、
訶字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、修行趣入一切功徳海と名け、
伽字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、持一切法雲堅固海藏と名け、
吒字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、十方諸佛隨願現前と名け、
拏字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、不動字輪聚集諸億字と名け、
娑頗字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、化衆生究竟處と名け、
娑迦字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、諸地滿足無著無礙解脱光明輪遍照と名け、
闍字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、宣説一切佛法境界と名け、
多娑字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、一切虚空法雷遍吼と名け、
佗字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、曉諸迷識無我明燈と名け、
陀字を唱る時、般若波羅蜜門に入るを、一切法輪出生藏と名く。
善男子よ、我れ如是の諸解脱根本字を唱る時、此の四十二般若波羅蜜門を首と為して、無量無數の般若波羅蜜門に入る。善男子よ、我唯だ此の【善轉衆藝菩薩解脱】を知るのみ。」

ここも探玄記では「会縁入実相」とされ「華厳五十五所絵巻」には「第四知識」と書かれています。探玄記では善知綜芸童子の【善轉衆藝】について「衆藝とは所知所解の世間の伎芸、即ち文字等なり。善轉とはこれ能知・・」としています。つまり世間の学問をすべて身に付けているという意味です。
わたしは昔から梵字にあこがれていて、平成17年の四国遍路では自己流の梵字般若心経を88所すべての札所に納札しました。この時の納経のおかげでこの3年後
平成20年に京都東寺で慈雲尊者中天相承の悉曇を松本俊彰大和上から伝授いただく法縁に恵まれ、24年10月31日に考試を受け正式の中天相承悉曇免許をいただけました。おかげは思わぬところで何年もかけてぐるっと廻って巡ってきます。この善知綜芸童子の悉曇は四十二字母ですが、松本俊彰大和上から伝授いただいた中天相承の悉曇は字母は51字です。悉曇も古代は必ずしも統一されていたとは言えません。あらゆる言語はみなそうですが・・。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 被災者へ善行の廻向 | トップ | 今日17日は靖国神社の例大祭 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸経」カテゴリの最新記事