福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)より、1

2020-02-01 | 諸経

十善戒和讃略解(慈雲尊者)より天地万象は皆、真如無自性にして同一実相・同一縁起の法なれば、己身の外に仏もなく、仏の外に衆生もなく、衆生の外に自心もなく、心・佛・衆生は本来平等にして無二無別である。なんぞこの無二の中に於いて我他彼此の隔念を生じて自性を損害すべけんや。かくのごとくの妙観に住して十善を行うはすなわち真正の道徳にして真に四恩を報ずるものというべし。これを印度にありては菩薩と名つ゛け、支那においては聖人と名つ゛け、日本にあっては明神と名つ゛く。このように真理を開顕して一切衆生を愛憐し済度することがすなわち仏教の教理行門であって、是即ち三宝の恩なり。かくのごとくの心念に安住して、四恩の鴻徳に酬い、以て国家の深恩に報ずるを仏教の真の報恩とする。十善四恩は一切道徳の元素にして十善の外に別に道徳なし。大忠、大孝をなさんと欲する者はすべからく因果応報の原理に則って、怨みに酬ゆるに徳を以てし、君・父をして真に天下に怨仇なからしむべし。これを真の大忠・大孝とす。もし仏教十善の真理に基きて至孝をなすものは、只だ父母に現世の快楽を与ふるのみならず、生々世々に互いに相愛し相歓んで自ら十善道徳の至孝を行じ、またよく父母をしておのずから十善因果の真理を信ぜしむるときは父母は進んで善根を増修してひいては一切衆生に及ぼすべし。もしこの如くなるときは至孝も大ならずや。

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