法然上人のお言葉

「病気を治す薬草があります。磁石は鉄を引き寄せます。麝香はすばらしくいい香りを放ちます。サイの角は水をはじく力があるそうです。それらは病気を治したいという心があって薬草になったわけではなく、磁石も鉄を引き寄せるための修行をしてその力を得たわけではありません。それらの効力は長い時間をかけて、自分を守るために少しずつ変化し、自然と備わった不思議な力なのです。

心や願いなど持っていなくても植物や動物は不思議な力を持っています。阿弥陀さまは自分のためではなく、救いを求めるすべての人を、もれなく救い取りたいという心を持って、兆歳永劫という長い時間、私たちの想像をはるかに超えた長い時間修行して下さったのです。心を持たない草木や動物が長い時間をかけて変化し、人を助ける不思議な力を持つ事が出来たのだから、阿弥陀さまがそれ以上の偉大な不思議な力を持っておられることは、疑いようがない事実であると言う事なのです。私たちは阿弥陀さまのお力を素直に信じてその名でありますお念仏「南無阿弥陀仏」をおとなえすれば、間違いなく西方の極楽浄土に往生させていただけます。」
ここで阿弥陀様を「諸仏」と言い換えてもいいと思います。心を持たない草木や動物が不思議な力をもっているのだから諸仏はそれ以上に凄いお力をお持ちだということです。(浄土宗ホームページより）