福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

天皇陛下の御即位灌頂・・6

2019-03-06 | 法話

「御即位灌頂 冨田斆純(11代豊山派管長)」によれば,
平安後期「(後三条天皇はそれまで200年以上続いてきた藤原氏の専横の弊害を除くべく政治を自ら聴きたまはんとされたこともあり)多年権力を専らにしてきた藤原頼道は天皇の践祚の前にその職を辞し隠居のやむなきに至った。後三条天皇即位したまふや国司の重任を禁じて売官の幣を矯め新しく記録書を設けて親しく諸家の荘園を糺し御自ら質素を守りて華奢の風をあらためて大いに朝風を振興せられた。その即位の大礼を行わせたまふや小安殿より大極殿に進みたまふ時より大日如来の智拳印を結び給うた。傳燈廣録にいわく「延久帝(御三条天皇)儲位(皇太子の位)にあり、成尊(1012-1074真言宗。京都山科小野曼荼羅寺2世。後三条天皇の信頼があつく,延久4年東寺一長者となる。通称は小野僧都)を以て法友とす。護持ひとえに尊により託するに運祚を詔す。治歴の初め宮に入って儲君を観る、春宮鏡に対し尊に謂って曰く『吁年すでに老矣』白髪数茎抜きて以て尊に給う。尊、語なくして退き愛染王供を修し譲位を祈る。明王の冠獅子血を吐き壇炉にそそぐ、帝いくばくもなくならずして即位す。これによって国師と為し、寵遇倍々渥し。」

これよりさき成尊僧都は康平三年に天皇の命に応じて付法伝算要抄一巻を撰して奉った。その中には真言密教の殊勝なることを「一、灌頂殊勝。二、受法殊勝。三、梵文殊勝。四、相承殊勝。五、誓願殊勝。六、宝珠殊勝。七、道具殊勝。八、入定殊勝。九、法則殊勝。十、外護殊勝。」の十種に分けて説いている。この序文に成尊は「今、遍照金剛(大日)日域に鎮座し、金輪聖王福を増す。神を天照尊と号し、刹(くに)を大日本国と名ずけるは自然の理、自然に名を立つ。」と書いている。成尊は真言密教は我日本国には天然自然に契られた教理であるとの見地に立って治国平天下の要道、君民一体の真意義を説いたのである。」
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