扶桑略記・延喜十五年915 四月十二日
「三箇日十一社(注)に於て仁王経を読ましめ諸国京師 の疫を祈る」(注、『日本紀略』 永観2年(984年)には奉幣十一社として伊勢、石清水、賀茂、松尾、平野、稲荷、春日、大原野、住吉、大神、丹生をあげる。)
『日本紀略』(延喜十五年)「九月近者万木華發く。諸人赤痢を煩ふ。」
『扶桑略記』には、天台座主増命が天皇の不豫を祈り霊験があったことを記しています。「同年(延喜十五年)秋日、天下疫癊、都鄙の老少一も免れる者無し。夭亡の輩は朝野に盈つ。主上聖体不豫、座主法眼和尚位増命を請じ、玉扆を護らしむ。勅して曰く、頭痛身熱、堪忍すべからず、和尚合眼祈祷、香煙続烟、念誦連聲す。熱悩忽ち散じ聖体安慰す。帝皇尊重し、小僧都位を授く。帰山し辞表を上す。」