今日は大師が内裏に於いて雨ごいの祈祷をされ験を顕された日です。
天長四年(827年大師五十四歳 )五月二十六日に大師は内裏において祈雨法(きうほう)を修されています。
高野大師御広傳です。
「天長皇帝大極殿において百僧を屈して雩(あまごい)す。大師願文を作して云く
『維れ天長四年中夏の月、朔乙由酉。・・・大極清涼両殿において三尊の霊に雩(あまごい)す。聞くならく、仏心とは慈と悲なり。大慈は則ち楽を與え、大悲は則ち苦を抜く。抜苦は軽重を問うことなし、與楽は親疎を論ぜず。・・それ国は民を以て基と為し、人は食を以て命となす。・・それ雨、それ雨、・・一人の仁は蓋し万姓に被る。故に経に云う、「羅惹の名を知らずば人民多く貧殺す、三綱弛紊し五常廃絶すればすなわち旱澇飢饉し邦國荒涼す。國十善を行い、人五戒を修すれば則ち五穀豊登にして万民安楽なり。」・・三尊を奉仰し百僧を延屈して大般若経を転読し天中の天に供奠す。・・仰ぎ願わくは四智法帝・五大忿王・十護諸天・八部霊神・・・川渓汎溢・畝餘糧あり、路におちたるを拾わず、野老は帝力を知らず・・』
同月、丙戌、祈雨により大師をして仏舎利を内裏に請じ礼拝灌浴せしむ。後大陰雨降り数刻止まず、湿地三寸、これ舎利の霊験の感応する所也。」
これと同じことが日本紀略に「天長四年五月二十六日、小僧都空海に命じ、仏舎利を内裏に請じ、礼仏灌沐、刻後天陰雨降、数刻而止、地湿ること三寸、是則ち舎利の感応する所也」とあります。
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