以下「人生の帰諏」によります。「大正九年十二月四日、早朝念仏を称名しつつ遷化。
後に田中木叉「日本の光・弁栄尊者伝」には、・・・11月29日、弁栄篤信の恒村医師の耳元には『如来は・・いつもいますけれども・・衆生は知らない・・それを知らせに来たのが・・弁栄である。』という言葉が残された。また12月3日、ある者はその耳元に三昧発得の偈(弁栄が筑波山で発得した偈「弥陀の心神は法界に遍く、衆生仏を念ずれば、仏も還また念じたまふ、一心専念すれば能所亡じ、果満覚王、独了了たり」)を聞いたといい、・・大谷仙界の耳元には・・「敬礼天人大覚尊 恒沙福智皆円満 因縁果満成正覚 住寿凝然無去来」の敬礼偈が確かに聞こえた。「大正九年十二月四日、・・午前五時過ぎ、上人は木蘭の御袈裟を布団の上からかけさせられた。・・多くの道俗に・・聞き取りにくかったが長々と御説法があった。それから御眼は虚空を凝視して動かず・・上足大谷氏はしずしずと木魚を打ち出し道俗一同御床の側にも、次の間にも端座して荘厳な霊気につつまれつつ念仏した。・・上人は御かんばせ常よりも輝き、かすかなれども深い声で、ナーム(一息)アーミ(一息)ダーブ(一息)ナームアーミダーブと繰り返しお唱えになった御息は絶え、御相好に一段の荘厳を加えて御眼は永久に閉じられた。(時に午前六時五分)」
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