「秘密事相の狙いとするところは、ただに行軌事作を知解するといふことではなく、これを通じて法験を得、自ら不可思議境を体得するといふことにあるのである。そのためにはこの行軌を生かしすでに法験を得たる師に奉仕し、その師よりして文字に表現し得ざる体験を面々相対し、心から心に通ずるやうに、指導せらるることが必要である。その方法をとらないで、ただ行軌を規定せる経軌の末に囚はれ、それで能事了れりとするやうなことでは秘密の法験を得ることはむつかしい。これ大師が「秘蔵の奥旨は、文を得ることを貴ばず。ただ心を以って心に伝うるなり。文はこれ糟粕、文はこれ瓦礫、糟粕と瓦礫を受くれば、則ち粋実と至実とを失う。」と(『答叡山澄法師求理趣釈経書』(叡山の澄法師、理趣釈経を求めたるに答うるの書)で)説けるゆえんである。」(栂尾祥雲「真言宗の実修」)
最新の画像[もっと見る]
- 金剛頂瑜伽中發阿耨多羅三藐三菩提心論 10ヶ月前
- 一日は定光佛・熱田大明神・妙見様・天神と地神の日 3年前
- 万人幸福のしおり 4年前
- 佛説彌勒大成佛經 (全巻書き下し) 4年前
- 四国八十八所の霊験・・・その97 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その92 6年前
- 四国八十八所の霊験・・その89 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その88 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その83 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その76 6年前