運を拓くためには「有難うございます」と口にだして唱えること
「独り言」は大切です。我々は思うようにならない時、ついつい独り言でも「まいった、まいった」などと、マイナスの言葉を出してしまます。時には「此の野郎」などということさえあります。しかし独り言でもそうして外に発する言葉は力を持ちます。不運の時でも口に出すのはプラスの言葉にすべきです。
稲盛和夫は以下のように「不運の時にも『有難うございます』と独り言でも口に出して唱えることが大切と言っています。
「よいことと悪いことが織りなされていくのが人生というものです。だからよいにつけ
悪いにつけ、照る日も曇る日も代わらず感謝の念をもって生きること。福がもたされたと
きにだけではなく、災いに遭遇したときにもまた、ありがとうと感謝する。そもそもいま
自分が生きている、生かされている。そのことに対して感謝の心を抱くこと。その実践が
私たちの心を高め、運命を明るく開いていく第一歩となるのだと、私は心に言い聞かせて
きました。しかし、言うは易く行うは難しで、晴れの日にも雨の日にも、かわらず感謝の
念を忘れないということは人間にとって至難の業です。たとえば災難にあう。これも修行
だと感謝しなさいといっても、なかなかそんな気にはなれません。むしろ、なんで自分だけがこんな目にあうのかと、恨みつらみの思いを抱くのが人間の性というものでしょう。・・・・・困難があれば、成長させてくれる機会を与えてくれてありがとうと感
謝し、幸運に恵まれたなら、なおさらありがたい、もったいないと感謝するーー少なくともそう思えるような感謝の受け皿を、いつも意識的に自分の心に用意しておくのです。
・・若いころは、ウソでもよいから『ありがとうございます』と感謝することが大切だと自分に言い聞かせていました。心も明るくなるはずです。まして、自分の心を素直に表し、「あ
りがとうございます」と感謝の念を口に出せば、それを聞いた周囲の人々はよい気持ちに
なってくれて、和やかで楽しい雰囲気が作り出されていきます。逆に不平不満の鬱積した
刺々しい雰囲気は、自分を含めた周囲の人々にも不幸をもたらしていくと思います」(稲盛和夫「生き方」)