福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

書棚(シェルフ)曼荼羅 vol.4 090515

2009-05-15 | 講員の活動等ご紹介
書棚(シェルフ)曼荼羅 vol.4 090515 鈴木温哉

「聖☆おにいさん」1~3(既刊~雑誌連載継続中) 中村光 講談社 各580

なんと、コミックです。世紀末をのりこえたブッダとイエスが休暇で下界(なぜか東京・立川市)にやってきて、アパートをルームシェアしてグタグダと過ごしている、という設定のギャグモノです。ですので、とっても不真面目で不謹慎、しかし抱腹絶倒。電車の中では絶対に、絶対に読めません。私はすっかりハマってみんなにオススメしまくっているのです。この面白さは決して局地ウケでもなく、宝島社「このマンガがすごい!2009」オトコ編では1位を獲得したほか、今年の手塚治虫文化賞の短編賞まで受賞しております。

例えば。浅草寺に連れていかれたブッダ。「ここに私が来るのって、巣鴨にヨン様を放すようなものじゃない?」とビビります。するとイエスは「大丈夫、ブッダって単なるパンチパーマの人にしか見えないよ」とのやりとり。また、ディズニーランド(みたいな遊園地)に出かけた2人、「シニア割引があるみたい」「そりゃ何世紀も生きている超シニアだけど、ダメだろうな」と悩んだ挙句、窓口で「聖人2枚、お願いします」。ブッダは徳の高いことを言うと頭が光っちゃうので、夜のパレードでは人だかりができて困っちゃう、とか。両宗教の用語・エピソードがいっぱい出てくるほか、お互いが相手のことを尊重しあっている姿がなかなか「良い」のです。

ただし設定の奇抜さだけではネタが苦しくなってきたのか、第3巻あたりになるとちょっと眉をひそめたくなるような悪ノリが出てきました。とくにキリスト教方面からの苦情が心配です。大傑作だけに巻き返しを期待しています。

鈴木温哉
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