五來重「仏教と民俗」より「七夕は古来盆行事の一分でその本質は先祖の魂祭りである。・・タナバタの棚は旗を立てるための棚であった。旗はマネバタ(真言宗などの寺で立てる霊魂の招端と同じで盆の祭りを享けるためにこの世に帰り来る祖霊の依り代である。もとはおそらく御幣であったと思うが密教と陰陽道の影響を受けた現在では五色幡となっている。そのもっとも普通に見られる形は寺院では盆にかざる施餓鬼棚で五如来の名号を書いた青黄赤白黒の五色幡は日本固有のタナバタハタの変形なのである。・・紀州天野村志賀では七月七日に三本の竹で三角形の棚を庭先に作りこれをタナバタと言うが、その竹の一本に経木塔婆を結んで盆の十五日までおいて十六日に川へ流す。これを見ると屋外の盆棚または精霊棚をタナバタとよんだことがわかる。・・]
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