福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金光明最勝王經・全訳・・5/32

2020-01-05 | 諸経
金光明最勝王經・全訳・・5/32
金光明最勝王經夢見金鼓懺悔品第四
爾時、妙幢菩薩は、親しく佛前において、妙法を聞き已りて歡喜踊躍し、一心に思惟して還りて本處に至る。夜夢中において、大金鼓を見る。光明晃耀。猶し日輪の如し。此光中において十方無量諸佛を見るを得る。寶樹下において琉璃座に坐す。無量百千大衆圍繞し爲に説法す。一婆羅門の金鼓を桴撃(ふげき)し大音聲を出すを見る。聲中に微妙伽他を演説し懺悔法を明かす。妙幢聞き已りて皆悉く憶持し繋念して住す。天曉に至り已って無量百千大衆に圍遶せられ諸供具を將いて王舍城を出て、鷲峯山に詣で世尊の所に至る。佛足を禮し已って香花を布設し右遶三匝して退きて一面に坐し合掌恭敬し尊顏を瞻仰して白佛言「世尊。我夢中において婆羅門の手に桴を執りて妙金鼓を撃ち大音聲を出し聲中に微妙伽他を演説し懺悔法を明かすを見て我皆憶持しぬ。惟だ願くは世尊、大慈悲を降し我所説を聴きたまへ」と。即ち佛前において頌を説きて曰く
我昨夜中において 夢に大金鼓を見る
其形極姝妙 周遍金光あり
猶盛日輪の如く 光明皆普耀
十方界に充滿す 咸く諸佛は
寶樹下にありて 各琉璃座に処し
無量百千衆は 恭敬して圍遶するを見たり
一婆羅門あり 桴以て金鼓を撃ち
其鼓聲内に 此の妙伽他を説く
金光明鼓は妙聲を出し三千大千界に遍至し
能く三塗極重罪及び人中の諸苦厄を滅す
此の金鼓聲威力によりて 永く一切の煩惱障を滅 し
怖畏を斷除して安隱ならしむ 譬ば自在牟尼尊の如し
佛は生死大海中において行を積みて一切智を修成し
能く衆生をして覺品(三十七菩提分法)を具せしめ 究竟じて咸く功徳海に帰せしむ
此の金鼓妙聲を出すに由りて 普く聞者をして梵響を獲て
無上菩提果を證得せしめ 常に清淨妙法輪を転じ
住壽不可思議劫 隨機説法し群生を利し
能く煩惱衆苦の流を斷じ 貪瞋癡等皆除滅す
若し衆生ありて惡趣に処し 大火猛焔身に周遍せんに
若し是の妙鼓音を聞くことを得ば 即ち能く離苦し歸依佛し
皆な宿命智を成就するを得て 能く過去百千生を憶し
悉く皆な牟尼尊を正念し 如來甚深教を聞くことを得ん。
金鼓勝妙音を聞くに由り 常に諸佛に親近するを得、
悉く能く諸惡業を捨離し 純ら清淨諸善品を修することを得ん。
一切の天人有情類にして 殷重至誠に祈願する者は
金鼓妙音聲を聞くことを得て 能く所求をして皆な滿足せしめん
衆生は無間獄に墮在し 猛火炎熾苦は焚身し
救護あることなく輪迴に処るも 聞く者は能く苦をして除滅せしめん
人天餓鬼傍生中 あらゆる現に受る諸苦難も
金鼓の妙響を発するを聞くを得ば 皆な離苦得解脱せん
現在十方界の 常住兩足尊よ
願くは大悲心を以て 哀愍し我を憶念したまへ
衆生は歸依なく 亦た救護あることなし
如是等の類のために 能く大歸依と作りたまへ
我先に作る所の罪・極重諸惡業・
今十力(仏)の前に対し 至心に皆懺悔す
我諸佛を信ぜず 亦た尊親を敬せず
務て衆善を修せず 常に諸惡業を造る
或は自ら尊高・種姓及び財位・盛年を恃み
放逸を行ひ 常に諸惡業を造る
心恒に邪念を起こし 口に惡言を陳べ
過罪を見ず 常に諸惡業を造り
恒に愚夫行を作し 無明の闇は心を覆ふ
不善友に隨順し 常に諸惡業を造る
或は諸戲樂により 或は復た憂惱を懐き
貪瞋の所纒となる 故に我れ諸惡を造る
不善人に親近し 及び慳嫉の意により
貧窮にして諂誑を行ふ 故に我諸惡を造る
衆過をねがわずと雖も 怖畏あるによるがゆえに
自在をえず 故に我れ諸惡を造る
或は躁動心の為に 或は瞋恚恨により
及び飢渇惱によるが故に我諸惡を造る
飮食衣服及び貪愛女人により
煩惱火の所燒となる故に我諸惡を造る
佛法僧衆において恭敬心を生ぜず
如是の衆罪を造る 我今悉く懺悔す
獨覺・菩薩においても 亦た恭敬心なし
如是の衆罪を造る 我今悉く懺悔す
無知にして正法を謗り 父母に不孝なり
如是の衆罪を造りぬ 我今悉く懺悔す
愚癡憍慢及び貪瞋力によりて
如是の衆罪を造る 我今悉く懺悔す
我十方界において無數佛を供養す
當に願くは衆生を抜きて 諸苦難を離れしめん
願くは一切有情 皆十地に住はしめ
福智圓滿し已りて 成佛し群迷を導かん
我諸衆生の為に 苦行すること百千劫なり
大智慧力を以て 皆な苦海を出でしめん
我諸含識の為に甚深の經・最勝金光明を演説し
能く諸惡業を除かん
若し人、百千劫に諸極重罪を造らんも
暫時に能く發露(懺悔)せば 衆惡盡く消除せん
此の金光明によって 如是に懺悔を作す
斯によりて能く速かに一切諸苦業を盡さん
勝定百千種 不思議總持
根・力・覺・道支を修習して常に無倦ならん
我當に十地に至り 珍寶處を具足し
佛功徳を圓滿し生死の流を濟渡せん
我が諸佛海、甚深功徳藏は
妙智の難思議なるに於いて 皆な具足を得しめん
唯願くは十方佛 觀察して我を護念し
皆大悲心を以て 哀みて我懺悔を受けたまへ
我多劫中において 所造の諸惡業
斯によりて苦惱を生ず 哀愍して願くは消除したまへ
我諸惡業を造り 常に憂怖心を生じ
四威儀中(行住坐臥)において 曾って歡樂の想なし
諸佛大悲を具へて 能く衆生の怖を除きたまふ
願くは我が懺悔を受けて 憂苦を離るることを得しめたまへ
我に煩惱障及び諸報業あり
願くは大悲水を以て 洗濯し清淨ならしめたまへ
我先に諸罪を作り 及び現に惡業を造る
至心に皆な發露す 咸く願くは蠲除(けんじょ・除去)せしめたまへ
未來の諸惡業は 防護して不起ならしめん
たとひ違ふ者あるも 終に敢て覆藏せじ
身三・語四種 意業に復た三あり
諸有情を繋縛し無始に恒に相續す
斯の三種行によりて十惡業を造作す
如是の衆多の罪 我今皆懺悔す
我諸惡業を造り 苦報當た自受す
今諸佛前において 至誠に皆懺悔す
此の贍部洲 及び他方世界の
あらゆる諸善業 今我皆隨喜す
願くは十惡業を離れ十善道を修行し
十地の中に安住し 常に十方佛を見ん
我身語意を以て 所修の福智業、
願くは此善根を以て無上慧を速成せん
我今十力の前に親對し衆多苦難事を發露す
凡愚三有に迷惑の難 恒に極重惡業を造る難
我積集するところの欲邪の難 常に貪愛を起こし流轉の難
此世間において耽著する難 一切愚夫煩惱の難
狂心・散動・顛倒の難 及び惡友親近の難
生死中において貪染する難 瞋癡闇鈍にして造罪する難
八無暇惡處(八難所のこと、地獄・餓鬼・畜生・鬱單越・長壽天・盲聾瘖啞・世智辯聰・佛前佛後 )
に生ずる難 未だ曾って功徳を積集せざる難
我今皆な最勝前において無邊罪惡業を懺悔す
我今諸善逝に歸依す 我徳海無上尊
大金山の如く十方を照らすを禮す 唯だ願くは慈悲哀みて攝受せよ
身色は金光にして淨無垢 目は清淨紺琉璃の如く
吉祥・威徳・名稱尊 大悲慧日は衆闇を除く
佛日光明は常に普遍し 善淨無垢にして諸塵を離る
牟尼の月は照極清涼なり 能く衆生の煩惱熱を除く
三十二相遍く莊嚴し 八十隨好皆圓滿なり
福徳難思にして無與等 日は光をはなちて世間を照らすが如し
色は琉璃の如く淨無垢 猶滿月の如く虚空に処す
妙頗梨の網は金躯に映じ 種種の光明は以って嚴飾す
生死苦瀑流内に於いて 老病憂愁水に漂はさる所なり
如是の苦海は堪忍し難し 佛日は光を舒べて永竭せしむ
我今一切智三千世界希有尊を稽首す
光明晃耀の紫金身・種種妙好皆嚴飾す
大海水量の難知にして大地微塵の不可數なるが如く
妙高山の稱量しがたきが如く 亦た虚空の際あること無きが如し
諸佛の功徳も如是なり 一切有情は知る能はず
無量劫に於いて諦思惟せんんも能く徳海岸を知る有ること無し
此大地と諸山岳を尽くし くだきて微塵の如きを能く算知し
毛端の渧海は尚ほ可量なるも 佛之功徳は能く數ふるなし
一切有情は皆共に世尊の名稱・諸功徳を讃ず
清淨相好・妙莊嚴は稱量し分齊を知るべからず
我のあらゆる衆善業、願くは無上尊に速成するを得て
正法を廣説し群生を利し 悉く衆苦を解脱せしめん
大力魔軍衆を降伏し 當に無上正法輪を轉ぜん
劫數に久住すること難思議なり衆生に甘露味を充足すること
猶ほ過去諸最勝の如くならん 六波羅蜜皆圓滿し
諸貪欲及瞋癡を滅じ 煩惱を降伏し衆苦を除かん
願くは我常に宿命智を得て 能く過去百千生を憶ひ
亦た常に牟尼尊を憶念し 諸佛甚深法を聞くことを得ん
願くは我斯諸善業を以て無邊最勝尊に奉事し
一切不善因を遠離し 恒に眞妙法を修行するを得ん
一切世界の諸衆生 悉く皆離苦得安樂せしめん
あらゆる諸根不具足は 彼をして身相皆圓滿ならしめん
若し衆生の病苦に遭ひ 身形羸痩無所依なる者あらば
咸く病苦をして消除することを得て諸根色力皆充滿せしめん
若し王法を犯し當に刑戮せらるべく 衆苦逼迫し憂惱を生ず
彼斯の如く極苦の時 歸依して能く救護あることなし
若し鞭杖枷鎖繋を受け 種種の苦具、其身に切に
無量百千憂惱する時 身心を逼迫し暫くも樂なからんに
皆繋縛及鞭杖苦楚の事を免るるをえせしむ
將に臨刑の者には命全きを得せしめ衆苦皆永く除盡せしむ
若し衆生有りて飢渇逼るには 種種殊勝の味を得せしめん
盲者は視るを得、聾者は聞き、 跛者は能く行き、瘂は能く語り、
貧窮の衆生は寶藏を獲、 倉庫盈溢して乏しきなし
皆な上妙樂を受け 一衆生として苦惱を受くる無し
一切人天皆樂み、容儀温雅甚端嚴なるを見、
悉く皆な無量樂を現受し 豐饒を受用し福徳具る
彼の衆生の伎樂を念ずるに随ひ 衆妙の音聲皆現前し
水を念ずれば即ち清涼池現じ 金色の蓮花は其上にうかぶ
彼の衆生の心所念に随ひ 飮食衣服及床敷
金銀珍寶妙琉璃瓔珞莊嚴皆な具足す
衆生をして惡響を聞かしむるなし 亦復た相違有るを見ず
受容するところの貌は悉く端嚴なり 各各慈心にして相愛樂す
世間の資生・諸樂具は 心に随って念ずる時皆滿足す
所得の珍財に悋惜なく 諸衆生に分布施與す
燒香末香及塗香、 衆妙雜花一色に非ざるは
毎日三時に樹より墮ち 隨心に受用して歡喜を生ず
普く願はくは、衆生は咸く、十方一切最勝尊・
三乘清淨妙法門・菩薩獨覺聲聞衆に供養せんことを
常に願くは卑賤に處するなく無暇八難中に堕せず
生れて有暇人中尊となり 恒に十方佛に親承するを得ん
願くは常に富貴家に生じ財寶倉庫皆盈滿することを得て
顏貌名稱無與等にして 壽命延長して劫數を経ん
悉く願くは女人は變じて男となり 勇健聰明多智慧
一切常に菩薩道を行じ六度を勤修して彼岸に到ん
常に十方無量佛 寶王樹下にして安處し
妙琉璃師子座に處すを見て 恒に轉法輪を親承するを得ん
若し過去及現在において三有に輪迴して造する諸業の
能く可厭の不善趣を招くは 願くは消滅し永く無餘ならん
一切衆生は有海において 生死羂網が堅牢に縛せるを
願くは智劍を以て斷除し 離苦し速に菩提處を證せしめん
衆生は此贍部内において 或は他方世界中に於いて
所作の種種勝福田、 我今皆な悉く隨喜を生ず
此福徳を隨喜する事 及び身語意の造れる衆善を以て
願くは此勝業常に増長し無上大菩提を速證せん
あらゆる佛功徳の禮讃は深心清淨無瑕穢なり
迴向發願は福無邊なり 當に惡趣六十劫を超ゆ
若し男子及女人婆羅門等諸勝族ありて
合掌し一心に佛を讃歎せば 生生に常に宿世事を憶し
諸根清淨にして身は圓滿に 殊勝功徳は皆な成就す
願くは未來所生處において 常に人天共に瞻仰せられん
一佛十佛所において 諸善根を修して今聞くを得るに非ず
百千佛所において善根を種へ 方に斯懺悔法を聞くを得ん
爾時、世尊は此説を聞き已りて妙幢菩薩を讃じて言く「善哉善哉。善男子。汝所夢の金鼓の聲を出し、如來眞實功徳并に懺悔法を讃歎したるが如き、若し聞くを得る者あらば福を獲るもの甚多。廣く有情を利して罪障を滅除す。汝今應に此之勝業を知れ。皆是れ過去に讃歎發願せる宿習因縁と及び諸佛威力の加護による。此の因縁は當に汝説の為に説く」。時に諸大衆は
是法を聞き已りて咸く皆な歡喜し信受奉行せり。
金光明最勝王經卷第二
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