福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)7

2019-09-07 | 諸経
善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)7
六番目、南方林住国 解脱長者
善財はこれまでに教えられた教えを胸に刻みながら林住国の解脱長者を訪ねますがその間十二年もかかったといいます。善財は解脱長者にあったとき「・・云何が菩薩は菩薩の道に向かい、菩薩の行を修し、既に修しおわりて速やかに菩薩の行を清浄ならしめ、具さに菩薩の円満なる浄行を成するや」と聞きます。すると
「その時に解脱長者は・・・菩薩の三昧門に入る、摂一切仏刹無量旋陀羅尼と名く。我已に【無礙荘厳の法門】を成就せり。・・一切の諸仏を意に随ひて即ち見たてまつる。彼の諸の如来は此に来至し給はず、我かしこに往かず。・・諸仏菩薩の一切の自在無礙の境界は皆己が心により、甚深の智を具し一切の法をさとる。(参考「発菩提心論」に「凡そ、今の人、もし心決定して教の如く修行すれば、座を立たずして三摩地現前し、於是に本尊の身を成就すべし」とあります)この故に善男子よ諸の善根を以て己が心を増長し甘露の法雨をふらしてその心を潤沢し境界内に於いて心を清浄ならしめ・・』」と説きます。つまり心が菩薩行の根本であるといいます。
これは十住位のうちの方便住(善根を具えて空観を助ける方便とする)とされます。華厳五十五所絵巻でも下から五番目ということで「第五方便住」と書かれています。卑近な例では自分の知人で人の悪口をいわない人がいました。此の人は役人世界でいういわゆるエリートではありませんでしたがキャリア官僚よりも出世しました。まさに心を広く持って広い世界を見ていたからこそできたのだと思います。


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