金光明最勝王經・全訳・・8/32
金光明最勝王經卷第五大唐三藏沙門義淨奉制譯
蓮華喩讃品第七(ここでは金竜王が蓮華喩で諸仏を讃嘆する。これは佛身の讃嘆は同時に懺悔となることも示す。)
(大師の「金勝王經祕密伽陀第五卷・蓮花喩讃品第七」には
禪名樹女(樹神) 理を蓮華と号す 金龍は是れ惠 佛家に生在す 銀光は卽ち止なり 證道遐はるかならず 假に法性を説く 奇哉釋迦 )
爾時佛は菩提樹神善女天に告げたまはく「汝今應に知るべし。妙幢、夜夢に妙金鼓大音聲を出して佛功徳并びに懺悔法を讃ずるを見る。此之因縁を我は汝等がために其事を廣説せん。應當に諦聽して善く之を思念すべし。過去に王ありき。金龍王と名く。常に蓮華喩の以て十方三世諸佛を稱歎す。即ち大衆のためにその讃を説きて曰く
過去未來現在佛は十方世界中に安住す
我今至誠に稽首禮し一心に諸最勝を讃歎す
無上清淨牟尼尊は身光照耀して金色の如し
一切聲中最も上となす 大梵響は震雷音の如し
髮彩は喩へば黒蜂王の如し 宛轉旋文は紺青色なり
齒白齊密なること珂雪の如し 平正に顯現して光明あり
目は淨無垢にして妙端嚴 猶ほ廣大青蓮葉の如し
舌相廣長極柔軟 譬ば紅蓮の水中より出たるが如し
眉間常に白毫光あり 右旋宛轉し頗梨色なり
眉細纖長初月に類す 其色は晃耀、蜂王に比す
鼻高脩直にして金鋋(こんじょう・金の矛)の如し 淨妙光は潤ひて相虧くることなし
一切世間の殊妙香は 聞く時、悉く其所在を知る
世尊の最勝身は金色なり 一一の毛端は相殊らず
紺青柔軟にして右旋の文あり 微妙の光彩喩をなすこと難し
初誕身すら妙光明あり 普く一切十方界を照らし
能く三有の衆生の苦を滅し 彼をして悉く安隱樂を蒙らしむ
地獄傍生鬼道中に 阿蘇羅天及人趣、
彼をして衆苦を除滅せしめ常に自然安隱樂を受けしむ
身色光明常普照 譬ば鎔金の妙無比なるが如し
面貌圓明にして滿月の如し 脣色の赤好は頻婆(びんば・ヤサイカラスウリ)という蔓草の果実。鮮やかな紅色)に喩ふべし
行歩・威儀・師子に類し 身光朗耀にして初日に同じ
臂肘纖長にして立てば膝を過ぐ 状は垂下すること娑羅枝に同じ
圓光一尋照すこと無邊なり 赫奕として猶ほ百千日の如く悉く能く諸佛刹に遍至し 縁在所に随ひて群迷を覺す
淨光明網は倫比なし 流耀して百千界に遍滿す
十方を普照して無障礙なり 一切冥闇悉く皆な除く
善逝の慈光は能く樂をあたへ 妙色映徹して金山に等し
流光は悉く百千土に至り 衆生遇ふ者は皆な出離す
佛身は無量福を成就し 一切の功徳は共に莊嚴し
三界を超過して獨り尊と稱す 世間の殊勝にして與に等しきものなし
所有あらゆる過去一切の佛の數は大地の諸微塵に等し
未來現在十方尊も亦た大地微塵衆の如し
我至誠の身語意を以て三世佛に稽首歸依し
無邊功徳海を讃歎して 種種の香花皆供養す
設へ我口中に千舌ありて 無量劫を経て如來を讃ぜんも
世尊の功徳不思議 最勝甚深は説くべからず
假令我が舌百千ありて一佛の一功徳を讃歎せんも
中において少分すら尚ほ知りがたし 況んや諸佛徳無邊際なるをや
假使大地及諸天 乃至有頂を海水となさんに
毛端の滴は數を知るべきも 佛の一功徳をも甚だ量りがたし
我至誠の身語意を以て諸佛徳の無邊なるを禮讃す
所有る勝福果の難思なるを衆生に迴施して速に成佛せしめん
彼の王、如來を讃歎し已り 倍す復た深心に弘願を発す
願くは我當に未來世において 生れて無量無數劫にありて
夢中に大金鼓を常見し 懺悔を顯説する音を聞くを得て
佛功徳を讃ずるに蓮華に喩へん 願くは無生を證し正覺を成ぜん
諸佛出世は時に一現す 百千劫において甚だ難逢なり
夜夢に常に妙鼓音を聞き 晝は則ち隨應して懺悔せん
我當に圓滿して六度を修し衆生を拔濟して苦海を出でしめ
然後に無上覺を成ずるを得て 佛土の清淨不思議
妙金鼓を以て如來に奉り 并びに諸佛實功徳を讃じ
斯によりて當に釋迦佛を見て 我が人中尊を紹つがんことを記したまはん
金龍・金光は是れ我子なり
過去に曾って善知識となる
世世に願って我家に生まる 共に無上菩提記を授く
若し衆生ありて救護なく 長夜に輪迴して衆苦を受けんに
我は來世において歸依となり 彼をして常に安隱樂を得しめ
三有の衆苦は願くは除滅し 悉く心に隨って安樂處を得
未來世において菩提を修し 皆な過去成佛者の如くならしめん
願くは此の金光懺悔の福 永く苦海を尽くして罪消除し
業障煩惱悉く皆な亡じ 我をして速に清淨果を招かしめんことを
福智の大海は量無邊なり 清淨離垢にして深無底なり
願くは我斯の功徳海を獲て 速に無上大菩提を成ぜん
此金光懺悔力を以て 當に福徳淨光明を獲べし
既に清淨妙光明を得て 常に智光を以て一切を照らさん
願くは我が身光は諸佛に等しく 福徳智慧亦復た然らん
一切世界に獨り尊と称し 威力自在無倫匹ならん
有漏の苦海を願くは超越し 無爲の樂海に願くは常遊せん
現在の福海は願くは恒に盈ち 當來の智海は願くは圓滿せん
願くは我が刹土は三界を超え 殊勝功徳量無邊に
諸有縁者悉く同生し 皆速に清淨智を成ずることを得ん
妙幢よ汝當に知るべし 國王金龍王は
曾って如是の願を発せり 彼れは即ち是れ汝身なり
往時二子あり 金龍及び金光は
即ち銀相・銀光なり 當に我が記を受くべし
大衆は是説を聞きて 皆な菩提心を発す
願くは現在未來 常に此によりて懺悔せんことを
金光明最勝王經卷第五大唐三藏沙門義淨奉制譯
蓮華喩讃品第七(ここでは金竜王が蓮華喩で諸仏を讃嘆する。これは佛身の讃嘆は同時に懺悔となることも示す。)
(大師の「金勝王經祕密伽陀第五卷・蓮花喩讃品第七」には
禪名樹女(樹神) 理を蓮華と号す 金龍は是れ惠 佛家に生在す 銀光は卽ち止なり 證道遐はるかならず 假に法性を説く 奇哉釋迦 )
爾時佛は菩提樹神善女天に告げたまはく「汝今應に知るべし。妙幢、夜夢に妙金鼓大音聲を出して佛功徳并びに懺悔法を讃ずるを見る。此之因縁を我は汝等がために其事を廣説せん。應當に諦聽して善く之を思念すべし。過去に王ありき。金龍王と名く。常に蓮華喩の以て十方三世諸佛を稱歎す。即ち大衆のためにその讃を説きて曰く
過去未來現在佛は十方世界中に安住す
我今至誠に稽首禮し一心に諸最勝を讃歎す
無上清淨牟尼尊は身光照耀して金色の如し
一切聲中最も上となす 大梵響は震雷音の如し
髮彩は喩へば黒蜂王の如し 宛轉旋文は紺青色なり
齒白齊密なること珂雪の如し 平正に顯現して光明あり
目は淨無垢にして妙端嚴 猶ほ廣大青蓮葉の如し
舌相廣長極柔軟 譬ば紅蓮の水中より出たるが如し
眉間常に白毫光あり 右旋宛轉し頗梨色なり
眉細纖長初月に類す 其色は晃耀、蜂王に比す
鼻高脩直にして金鋋(こんじょう・金の矛)の如し 淨妙光は潤ひて相虧くることなし
一切世間の殊妙香は 聞く時、悉く其所在を知る
世尊の最勝身は金色なり 一一の毛端は相殊らず
紺青柔軟にして右旋の文あり 微妙の光彩喩をなすこと難し
初誕身すら妙光明あり 普く一切十方界を照らし
能く三有の衆生の苦を滅し 彼をして悉く安隱樂を蒙らしむ
地獄傍生鬼道中に 阿蘇羅天及人趣、
彼をして衆苦を除滅せしめ常に自然安隱樂を受けしむ
身色光明常普照 譬ば鎔金の妙無比なるが如し
面貌圓明にして滿月の如し 脣色の赤好は頻婆(びんば・ヤサイカラスウリ)という蔓草の果実。鮮やかな紅色)に喩ふべし
行歩・威儀・師子に類し 身光朗耀にして初日に同じ
臂肘纖長にして立てば膝を過ぐ 状は垂下すること娑羅枝に同じ
圓光一尋照すこと無邊なり 赫奕として猶ほ百千日の如く悉く能く諸佛刹に遍至し 縁在所に随ひて群迷を覺す
淨光明網は倫比なし 流耀して百千界に遍滿す
十方を普照して無障礙なり 一切冥闇悉く皆な除く
善逝の慈光は能く樂をあたへ 妙色映徹して金山に等し
流光は悉く百千土に至り 衆生遇ふ者は皆な出離す
佛身は無量福を成就し 一切の功徳は共に莊嚴し
三界を超過して獨り尊と稱す 世間の殊勝にして與に等しきものなし
所有あらゆる過去一切の佛の數は大地の諸微塵に等し
未來現在十方尊も亦た大地微塵衆の如し
我至誠の身語意を以て三世佛に稽首歸依し
無邊功徳海を讃歎して 種種の香花皆供養す
設へ我口中に千舌ありて 無量劫を経て如來を讃ぜんも
世尊の功徳不思議 最勝甚深は説くべからず
假令我が舌百千ありて一佛の一功徳を讃歎せんも
中において少分すら尚ほ知りがたし 況んや諸佛徳無邊際なるをや
假使大地及諸天 乃至有頂を海水となさんに
毛端の滴は數を知るべきも 佛の一功徳をも甚だ量りがたし
我至誠の身語意を以て諸佛徳の無邊なるを禮讃す
所有る勝福果の難思なるを衆生に迴施して速に成佛せしめん
彼の王、如來を讃歎し已り 倍す復た深心に弘願を発す
願くは我當に未來世において 生れて無量無數劫にありて
夢中に大金鼓を常見し 懺悔を顯説する音を聞くを得て
佛功徳を讃ずるに蓮華に喩へん 願くは無生を證し正覺を成ぜん
諸佛出世は時に一現す 百千劫において甚だ難逢なり
夜夢に常に妙鼓音を聞き 晝は則ち隨應して懺悔せん
我當に圓滿して六度を修し衆生を拔濟して苦海を出でしめ
然後に無上覺を成ずるを得て 佛土の清淨不思議
妙金鼓を以て如來に奉り 并びに諸佛實功徳を讃じ
斯によりて當に釋迦佛を見て 我が人中尊を紹つがんことを記したまはん
金龍・金光は是れ我子なり
過去に曾って善知識となる
世世に願って我家に生まる 共に無上菩提記を授く
若し衆生ありて救護なく 長夜に輪迴して衆苦を受けんに
我は來世において歸依となり 彼をして常に安隱樂を得しめ
三有の衆苦は願くは除滅し 悉く心に隨って安樂處を得
未來世において菩提を修し 皆な過去成佛者の如くならしめん
願くは此の金光懺悔の福 永く苦海を尽くして罪消除し
業障煩惱悉く皆な亡じ 我をして速に清淨果を招かしめんことを
福智の大海は量無邊なり 清淨離垢にして深無底なり
願くは我斯の功徳海を獲て 速に無上大菩提を成ぜん
此金光懺悔力を以て 當に福徳淨光明を獲べし
既に清淨妙光明を得て 常に智光を以て一切を照らさん
願くは我が身光は諸佛に等しく 福徳智慧亦復た然らん
一切世界に獨り尊と称し 威力自在無倫匹ならん
有漏の苦海を願くは超越し 無爲の樂海に願くは常遊せん
現在の福海は願くは恒に盈ち 當來の智海は願くは圓滿せん
願くは我が刹土は三界を超え 殊勝功徳量無邊に
諸有縁者悉く同生し 皆速に清淨智を成ずることを得ん
妙幢よ汝當に知るべし 國王金龍王は
曾って如是の願を発せり 彼れは即ち是れ汝身なり
往時二子あり 金龍及び金光は
即ち銀相・銀光なり 當に我が記を受くべし
大衆は是説を聞きて 皆な菩提心を発す
願くは現在未來 常に此によりて懺悔せんことを