福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は大師が東寺の五重塔建立に着手された日です。

2024-11-24 | お大師様のお言葉


天長三年十一月二十四日、大師は東寺の五重塔建立に着手されました。大師53歳の御時です。
「東寺の塔を造り奉る材木を曳き運ぶ勧進の表」です。これによると「塔を建て憧を建つるは福徳無尽なり」と仰せられています。いまでもおおくの塔が建立される所以です。
東寺は桓武天皇の御願であり、歴代四代を経ても完成せず大師自ら工事現場の総監督としてあたられていました。大塔の完成をするべく諸子百官に力を合わせ、材木を東山より運搬してもらいたいというものです。
「東寺の塔を造り奉る材木を曳き運ぶ勧進の表
右、東寺の別当沙門小僧都空海等奏す。空海聞く三宝を興隆することは一人による。一人の努むるところは、これ考、これ徳なり。徳の集まるところは塔憧これ最なり。塔をば功徳聚と名け、憧をば與願印と号す。功徳聚はすなわち毘盧遮那万徳の集成するところ、与願印はすなわち宝生・地蔵の三昧耶身なり
この故に塔を建て憧を建つるは福徳無尽なり。近くは人天の王となり、遠くは法界の帝となる。東寺は先帝の御願なり。帝四朝を経、年三十に越逾たりといえども、しかれどもなお紹構(受け継いだ建築事業)未だ畢らず。道俗観るものことごとく早く成らんことを願う。いかに況や先聖なんぞ御願速やかに畢ることを願いたまわざらん。
空海等謬って良匠に代わって叨りに御願に預かれり。日夕に駆馳して東西に経営す。今塔憧の材木近く東山に得たり。僧等今月十九日より夫とともに曳き運ぶ。木は大きに力は劣にして功を成さんことはなはだ難し。たとえば蟷螂の車に対い、蚊虻の獄を負わんが如し。一人の考恩、百官の忠心にあらずよりんばなんぞよく先帝の御願を荘厳し、広大の仏事を成就せん。今望むらくは六衛・八省・親王・京城等をして力を戮せ、誠を竭しておのおの曳くこと一味ならしめん。但し東西二寺の工夫をしておのおの持ち引けらん木をもって材を按じて相い刻ましめん。しかればすなわち子来の(子が親の元に集まるように)人夫雲の如くに集まり、塔憧の木材不日にして到りなん。僧等が微願かくの如し。天慈允許せば諸司に宣付せよ。
天長三年十一月二十四日」

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