今日は栄西禅師忌です。
栄西禅師は、永治元年(1141年)(4月20日または25日に、)岡山県吉備津神社の権禰宜賀陽貞遠の子として誕生され、建保3年(1215年)7月5日京都建仁寺で入滅。享年75歳没とされています。わたしの故郷の岡山のお生まれということもあり、また求聞持行の時等おまいりしてその都度御利益をいただいている吉備津神社の御生れということもあり勝手に大変な親しみを感じさせていただいています。特に栄西禅師の『興禅護国論』(建久9年(1198))が大好きで「心は大千沙界の外に出ず・・・」とか「護国のために禅をひろめよ」という主張はいまでも大変な迫力を持っています。
興禅護国論の主要なところを抜書きします。
「興禅護国論の序
大宋国の天台山留学、日本国の阿闍梨、伝燈大法師位、栄西(ようさい)跋す
大いなる哉、心や。天の高きは極むべからず、しかるに心は天の上に出ず。地の厚きは測るべからず、しかるに心は地の下に出ず。日月の光はこゆべからず、しかるに心は日月光明の表に出ず。大千沙界は究むべからず、しかるに心は大千沙界の外に出ず。それ太虚か、それ元気(万物を生み出す根本エネルギー)か、心はすなはち太虚を包んで、元気を孕むものなり。天地は我を待って変化し、万物は我を待って生す。大いなる哉、心や。吾れ已むことを得ずして強いてこれに名ずく。これを最上乗(大乗のその上)となずけ、また第一義となずけ、また般若実相となずけ、また一心法界となずけ、また無上菩提となずけ、また楞厳三昧(首楞厳三昧、堅く絶対的な禅意)となずけ、また正法眼蔵となずけ、また涅槃妙心となずく。しかればすなわち三輪八蔵(凡ての経典)の文、四樹五乗(お釈迦様涅槃時に二対の沙羅双樹の1対は枯れ、1対は栄えて常と無常の理をあらわしたこと、五乗は三乗に人乗と天乗を加えたもの)の旨、打併して箇裡にあり(ひっくるめてここにあり)。
・・・第二鎮護国家門とは、仁王経に曰「佛、般若をもって現在、未来世の諸の小国王等に付属してもって護国の秘法とす」と。其の般若とは禅宗なり。謂く、「境内にもし持戒の人あればすなわち諸天その国を守護す」と云々。・・・楞厳経に曰「佛のいわく、阿難よこの四種の律儀を持して、皎たること氷霜の如く、一心に我が般若壇怛羅呪(大白傘蓋神呪)を誦せよ。・・・この娑婆界に八万四千の災変の悪星、二十八の大悪星あり。世に出現せんとき、能く災変を生せんも、この呪ある地は悉くみな消滅せん。十二由旬に結界の地となりて、諸悪災障永く入ることあたわず。この故に如来はこの呪を宣示し、未来世において初学の諸の修行者を保護す」と。禅院において恒に修するは白傘蓋の法なり。鎮護国家の儀あきらかなり。・・・
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